小説むすび | 2022年4月発売

2022年4月発売

夏のヴィラ夏のヴィラ

過去と現在が交差し、一瞬煌めいて消えるーー 韓国で五つの賞に輝いた珠玉の短編集 いまやペク・スリンの小説は、母語と母国、母性の世界の不均質にまで手を伸ばす。普段は見られない母親の美しさに怯えて泣き出す子どものように、私もまたその過程にすっかり魅了された者のひとりだ。 ーーキム・グミ(小説家)『あまりにも真昼の恋愛』著者 「黒糖キャンディー」(『私のおばあちゃんへ』)『惨憺たる光』に続くペク・スリン、待望の最新作 美しく繊細な文章で、宇宙ほどにも捉えがたい人の心を追いつづけるペク・スリン。決して完璧に理解しきることなどできようもないのだが、そこによぎる一筋の彗星のような軌跡を目の当たりにさせてくれる。前作『惨憺たる光』では、光に至るまでの深くもあてどない闇を置き去りにしない慈愛のような作品たちを届けてくれた。今作『夏のヴィラ』では、人と人、世界と世界の境界線を静かに見つめることで、私たちがこの入り組んだ世界でいかに関係しながら共存しているのかを考えさせてくれる。 『夏のヴィラ』は二〇二〇年に刊行された、ペク・スリンの三冊目の短編集である。著者は二〇一一年に短編「噓の練習」でデビューして以来、多数の文学賞を受賞してきた。なかでも本書は、合わせて五つの賞を受けている。「時間の軌跡」と「ひそやかな事件」で若い文学賞、「夏のヴィラ」で文知文学賞、「まだ家には帰らない」で現代文学賞、さらに本書自体は審査員満場一致で韓国日報文学賞に輝くという快挙を成し遂げている。(訳者あとがきより) <あらすじ> 初めてのヨーロッパ旅行で出会い親交を温めてきたドイツ人夫婦に誘われ、苦しい講師生活のなか気持ちがすれ違っていた夫と共に訪れたカンボジアのヴィラ。数日過ごすうち、夫とドイツ人夫婦の間に小さな諍いが起こり……「夏のヴィラ」。夫の希望で仕事を辞め、変わらない毎日を過ごすなかでの楽しみは、子供を送迎するときに見かける赤い屋根の家に住む空想をすることだった。そんななか、親友が開業したイタリアンレストランで出会った若い男性とのささやかな会話が引き起こした心のさざ波に……「まだ家には帰らない」。人と人、世界と世界の境界線を静かに描いた八つの短編を収録。 時間の軌跡 夏のヴィラ ひそやかな事件 大雪 まだ家には帰らない ブラウンシュガー・キャンディ ほんのわずかな合間に アカシアの林、初めてのキス 著者あとがき 訳者あとがき

【POD】ジニャーナと合気で出会う、愛と調和のエッセンス:一人ひとりが光り輝くために、大切なこと【POD】ジニャーナと合気で出会う、愛と調和のエッセンス:一人ひとりが光り輝くために、大切なこと

発売日

2022年4月1日 発売

[商品について] ー「私」を探究し実践する言葉ー ジニャーナは、自分を探究することによってエゴの非実在性をあばき出し、障害となる無知を取り除くインドの古典的な求道法のひとつです。 本書は、独自の観点から自己の霊性を意識したスピリチュアルな合気道を模索している著者が、ジニャーナと合気道に通底する極意について、すべての人が実践・会得すべきものであるとの思いから、日々の稽古で感じたこと、伝えたいことを心のままにメッセージとして書き留めた作品です。 武道だけでなく、人生の指針としても示唆に富む内容となっています。 [目次] はじめに 期待しない エゴ無しの技 苦しみを手放す イリュージョン 合気道がそこに起こった 合気の奔流 エゴを笑い飛ばす ALL IS WELL 思い出してください もっと自由に 空なる解放 透明なクリスタル 内なる合気、外なる合気 闇夜の明かり 「私は私」でいるとき 迷走のトリック 心静かに 対立のエネルギー 平和の中で観照する 創造・維持・破壊する者 笑いが起こった 合気とは 合気と「わたし」 一日の始まり 恩寵の十牛図 いつわりの教え イッツ オートマチック 初めから完全 アナタを見せない 分離のとびら ほか [出版社からのコメント] 私たちが日常生活で抱える悩みや問題には、エゴが関わっていることも多いと思います。本書には、当たり前のように思っている「私」の姿を問い直すための、シンプルで分かりやすい言葉が詰まっています。日々の暮らしの中で、多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。 【著者プロフィール】 中村 昌泰(なかむら・まさやす) インドへの旅をきっかけに真我の探求に目覚める。 1993年、流道創始者、寺田気山と出会い、その翌年に道場長として道場開設の允可を受ける。 独自の観点から自己の霊性を意識したスピリチュアルな合気道を模索している。

八月の母八月の母

出版社

KADOKAWA

発売日

2022年4月4日 発売

『イノセント・デイズ』を今一度書く。そして「超える」がテーマでした。僕自身はその確信を得ていますーー早見和真 長い間歪み続けた愛や母性の歴史、地層のように積み重なる闇に確かな兆しを探し続けた。神が人を嘲笑い続けてきたのか。人が神を嘲笑い続けてきたのか。神なるものへの幻想と呪縛を解き放つ祈りとその熱に、心が深く確かに蠢いた。--池松壮亮(俳優) 容赦などまるでない。「母」にこだわる作家が、母という絶対性に対峙した。確かなものなど何ひとつない世の中で、早見和真は正しい光を見つけようとしている。その試みには、当然異様な熱が帯びる。--石井裕也(映画監督) 私も命を繋いでいく役目を担うのだろうか。微かな光と絶望に怯えながら、夢中で読み進めた。どうしようもない日々に、早見さんはいつだって、隣で一緒に座り込んでくれるんだ。--長濱ねる(タレント) ラストに現れるヒロインの強い覚悟と意思の力に、私たちは元気づけられる。辛く暗く苦しい話だが、そういう発見があるかぎり、小説はまだまだ捨てたものではない。 --北上次郎氏(書評家)(「カドブン」書評より抜粋) 彼女たちは、蟻地獄の中で、必死にもがいていた。 愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるが──。うだるような暑さだった八月。あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。執着、嫉妬、怒り、焦り……。人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望か──。 目次  プロローグ 第一部 伊予市にて  1977年8月  1988年8月  1992年8月  2000年8月 第二部団地にて  2012年6月  2012年10月  2013年1月  2013年4月  2013年6月  2013年7月  2013年8月 エピローグ

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