2022年9月発売
「ひょっとして私、人気者!?」 事なかれ主義だった元令嬢が自立を目指す、波乱万丈の愛され学園生活開幕! 書き下ろし番外編収録! コミカライズ企画進行中!
思春期の息子、碧人が笑わなくなって三か月。接し方に悩む「ほぼ専業主婦」の舞は、母としてできることを探し、もがいていく。かつて同室に入院していた、トーウンさんの言葉を思い出しながらー。子どもの心は、大人よりも実は複雑。笑顔を取り戻す手がかりは、いまだ世に知られない『ばら』の物語。繊細な感性で孤独に寄り添う小説。
五女・皐月との出会いは、同時に十一人の家族との出会いでもあった。昭和の時代、決して裕福ではない家庭で生まれた彼女たちは、それぞれが波乱に満ちた人生を送ることになるー。
……一緒に死んでくれるよね? ……うん、一緒に死ぬよ。 コロナ禍で推しアイドルに会えなくなった氷織が落ちていった沼は、推しアイドルの〈なりきり〉とのメッセージ交歓だった。 顔を見たこともない相手への恋ーー。それがすべての悲劇の始まりだった。 『みんな蛍を殺したかった』に続く、「黒歴史シリーズ」の第二弾
19歳のハロルドは、79歳のモードを愛してしまった。 孤独な青年は愛することの素晴らしさを知る。 40年前、この芝居を見て、私は号泣した。 黒柳徹子 自殺を演じるのが趣味という19歳の青年ハロルド。 規則に縛られることを嫌い、ひたすら自由に生きる79歳の女性モード。 60歳の年齢差がある二人を結びつけたのは、縁もゆかりもない他人の葬式だった。 しだいにハロルドは天衣無縫に行動するモードに惹かれていくーー特異なユーモア感覚で哀しい現実を描き、高く評価される映画の小説化 原題:Harold and Maude
20世紀イタリアの「最も美しい声」ともいわれる作家、ナタリーア・ギンズブルグ。その人生をたどり現前させる珠玉の37篇で編まれた決定版選集。初公開の記事・ノンフィクションも収める。 屈託なく闊歩する女優さながらの女性、内気でひっこみ思案の女性、どんな女性でも時おり暗い井戸に落ちることがある。その傍らには、相手の目を見られず、内面が崩壊した、でも放っておけない男たち……。17歳のデビュー作から、少し悪意のある子どもの視線で語るような文体は「従来にない言語感覚」と評される。 不器用で孤独で、ことばが一種の「魔法」であった子ども時代。ファシズムにもナチスにも抗って活動したレオーネとの結婚と流刑地での暮らしと夫の獄死、革命が夢であった時間から、社会が反転する戦後の渦の中へ。パヴェーゼやカルヴィーノと働いた出版社での仕事。生活の現場や工場のルポルタージュ。やがて長男カルロは稀代の歴史家になった。 人生は勝手に進み、人はそれを眺めるしかない。そして運命はときに不意打ちをする。「フェミニズムは嫌い」と表明しながら、ナタリーアは共闘し、悲痛を生きのびる多くの女性たちの物語を書き続けた。 編者と訳者による本格的作家論・解説を付す。 I 物語 不在 九月 子どもたち ジュリエッタ 裏切り 帰宅 海辺の家 元帥 わたしの夫 ドイツ軍のエッラ通過 娘たち 冒険の日々 荷馬車に乗って 母親 日曜日 II 記憶とクロニクル 思い出 アブルッツォの冬 ある村の年代記 農民 破れ靴 夏 マテーラの空をカラスが飛ぶ 南の女性たち 子ども時代 女性について アッルミニウム社の工場では百年まえの生活 身障者 フェッリエーリ社訪問 家 恐怖 怠慢 私の精神分析 子ども時代 白い口ひげ パッリダッシの月 パッラマッリオ街 やさしい花 編者解説──ひとつの声の変遷 ドメーニコ・スカルパ 訳者解説 望月紀子
レベッカは内気でおっとりした伯爵令嬢。 社交界にも馴染めず婚期を逃しそう。 ある日、銀狼にゴハンをあげると懐かれてしまい……。 えっ! この子は騎士団長様の相棒だった? それがキッカケで求婚されて……!? 不器用な騎士団長が、 おっとり令嬢にキュンとする ゆる甘ラブファンタジー!
あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。
「自分を変えたければ、東大を目指してみろ」高校1年のあの日、ある教師が途轍もない一言を放つ。ずっと成績最下位で、いじめられっ子で希望ゼロだった僕の人生初の挑戦が始まった。3度目の受験を終えた時、またしても想定外のミッションが…。後輩、憧れのマドンナ、元いじめっ子、同級生、そして父親と向き合う中で、孤独な闘いを続けてきた「僕」はあることに気づく。現役東大生作家・西岡壱誠が実際に体験した、合格発表までの8日間。
大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。 第一章「明神の滝に祈ってはいけない」 桃花はひとり明神の滝に向かっていた。一年前に忽然と姿を消した姉・緋里花のSNS裏アカウントを、昨晩見つけたためだ。失踪する直前の投稿を見た桃花には、あの日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。手がかりを求めて向かった観瀑台で桃花が出合ったのは、滝の伝説を知る人物だった。 第二章「首なし男を助けてはいけない」 夏祭りの日、少年は二人の仲間を連れて大好きな伯父さんを訪ねる。今夜、親たちに内緒で行う肝試し、その言い出しっぺであるタニユウに「どっきり」を仕掛けるため、伯父さんに協力してもらうのだ。伯父さんは三十年近くも自室にひきこもって、奇妙な「首吊り人形」を作っている。その人形を借りて、タニユウの作り話に出てきたバケモノを出現させようというのだ。 第三章「その映像を調べてはいけない」 「昨夜……息子を殺しまして」。年老いた容疑者の自白によれば、息子の暴力に耐えかねて相手を刺し殺し、遺体を橋の上から川に流したという。だが、その遺体がどこにも見つからない。必死で捜索をつづける隈島刑事は、やがてある「決定的な映像」へとたどり着く。彼は先輩刑事とともに映像を分析しはじめーーしかし、それが刑事たちの運命を大きく変えていく。 そして、書き下ろしの終章「祈りの声を繋いではいけない」 ーーすべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ! 各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。
世界文学の巨人が創出したアメリカ南部の伝説の地ヨクナパトーファの全貌を明かす究極の小説選。作家をノーベル賞に導いた奇跡の作品集を最強の翻訳陣による画期的新訳で。
南部の貧しい家庭の子供を北部の一般家庭が一時的に受け入れる、第二次世界大戦後のイタリアで実際に行われた社会活動「幸せの列車」。貧困問題、親子関係、新しい暮らし、揺らぐアイデンティティー7歳の少年の目を通し、ユーモアを交えた圧倒的な筆致で描き出す。イタリア版本屋大賞(Amo questo libro賞)など受賞、33言語で刊行のベストセラー!
松木真桜→中学教師だったが、人間関係に悩み、塾講師に転身。指導者が教え子を殺害することは絶対に許せない。桧垣兵吾→学生の頃から塾でアルバイトを始め、大学卒業後、正社員に昇格。被害者の復讐を果たしたい。中森直哉→古参の塾講師。事件により塾長の心が壊れてしまうのを防ぎたい。川瀬奏音→上司のセクハラで前職を辞し、講師に。高島太一の罪が露見することで、塾の名声を傷つけたくない。須之内すみれ→別の塾にいたが、今の塾に引き抜かれる。愛する人に汚辱にまみれながら破滅してほしくない。だから、みんなが殺したい。目的は同じなのに、誰かが何かを隠している。あなたは、この結末に逆らうことができますか?
2002年、『双月城の惨劇』で長編デビュー。該博な知識と驚きに満ちたトリック設計、ゴシック・ミステリの香気をたたえた筆致で独自の地位を築いた。デビュー20周年に際して、未収録だった中短編をすべて収載する。
江戸時代に裁判は公事とよばれた。公事の当事者に手と知恵を貸す商売・公事師の駆け出し・辰次は、松代藩山手村から江戸に公事に来た村人代表の伊左衛門、三平、善六に、負けたら切腹してみせる、と大見得を切り、大金三十両の仕事を引き受ける。辰次が事情をよく聞けば形勢は山手村に圧倒的に不利で、しかも相手方の坂田町には謎の凄腕公事師・唐物屋がついているという。このままじゃ公事に負けて本当に切腹だ!世話焼きの昔馴染み・おつうに尻を叩かれたり、元大奥の奥女中のばあさん・藤波の手を借りたり、あの手この手で必死になる辰次に逆転の目はあるのか?歴史小説の名手が、お江戸の町で活躍する若い公事師の姿を軽妙に、人情味豊かに描くエンタメ時代小説の快作!
殺人鬼を追って日本から遠く離れたこの国に来た名探偵の君と相棒の俺。敵の使う治療手段のない毒で意識を失った君を連れて日本人数人で逃げ込んだのは、中世の古城に隠された五つの部屋「空中牢獄」だった。そこは、十六世紀の貴族・ドウによって恐ろしい不死身の魔物が召喚された場所だ。魔物は無敵で、不老で不死身だが、部屋に封印されていて部屋の外には出られない。その魔物が俺たちの前に突然現れた。瞬間移動のように消えては現れる魔物に、一緒に空中牢獄に入った人間が次々に殺されていく。俺は君を助けられるのか?魔術師・林泰広が仕掛ける空前絶後のマジック・ミステリ。
魔導士の最高峰〈賢者〉を目指している、平民のウィズ。貴族以外の魔術使用が禁じられる中、魔導の才にあふれたウィズは、大魔導士である師匠の口添えもあり、平民ながら魔導学院で学ぶことを許されていた。ところが、貴族主義の学院長とその取り巻きにより、理不尽にも学院を追放されてしまう。そこでウィズは冒険者として名を揚げ、〈賢者〉への道を切り開くことにしてーー「俺に不可能はない。天才だからな!」冷遇された天才魔導士、規格外の力で大暴れ!? 爽快・成り上がりファンタジー、待望の書籍化!!