2023年3月発売
少年時代を過ごし、父母を見送った愛媛県新居浜市の家、劇団「第三舞台」を立ち上げた早稲田大学・大隈講堂裏。かけがえのない“場所”を通して人生の物語を描く。初の自伝小説集!
「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」 19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。 「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、 憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。 ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)
卵生生物の生殖を手伝う“孵化コーポ”でバイトしながら、自身は産むことがおそろしいうみ。美大の授業で才気煥発なみみと出会い、彼女の「産まれたくなかった」意志に触れー。中原中也賞受賞気鋭の詩人、存在の根源をめぐる初小説集。
「ジェイムズ・ジョイスの分身」にしてアイルランド独立運動に身を投じた20世紀の知られざる巨匠による奇蹟の短篇集。「すべて差しおいて欲しいものはありますか」-ある男の言葉で、夫婦の運命は動きだす。(「欲望」)旧友を道の向こうに見つけると、彼は死に物狂いで追いかけてきた。(「同級生」)3人の男女、20年の終わらない夢ー。(「月かげ」)輝くばかりの成功を求める男が、気に入らない部下を馘にしようと決意するがー。(「支配人」)ほか3篇。
新宿歌舞伎町。二日酔いで事務所に現れた竜次は、今日も事務員の頼子に咎められている。ワイルドターキーとジャズを愛する男の日常だ。指定された喫茶店で客を待っていると、やって来たのは大物代議士の秘書だという男で、首筋と額に脂汗を浮かべながら何かに怯えるようにガタガタと体を震わせていたー。過激なアクションを数多く経験してきた役者、工藤堅太郎が描く探偵小説の快作!
ここは、「ニッポン」誰も俺が「勇者」だなんて知らないー。ギスギスしたパーティメンバー間の軋轢に悩まされていたストレスフルな剣と魔法の国出身の勇者・アルフレッドはある日突然、神より予算イチマンエンを授けられワンダーランド「ニッポン」へ転送!食べて、飲んで、気の向くままに、癒しを求めて練り歩く!週に一度、24時間限定の至福の時間を満喫するお疲れ勇者の異世界探訪コメディが開幕!!
勇者に選ばれた我が社長の秘書として、赴任した先の異世界で出会ったのは、好みド真ん中の超美形王子様ーーと思ったら、ナンパでクセツヨな本性にドン引き。おまけに毎日押しかけてきて大迷惑&理解不能だけど、そんな彼にときめく私がもっと理解不能です! これは、社長の召喚に巻きこまれた秘書が異世界で奮闘し、恋の花を咲かせる物語。
忌み嫌われ者の魔女であるため、貴族令嬢としての恋や結婚を諦めているヴィオラ。身元を隠して魔女見習いをしていたある日、一目惚れしたという貴族紳士からいきなり求婚されてしまう。断固拒否するもお互い名前を伏せたまま交流をすることに。彼の飾らない人柄に惹かれるが、なんとこの国の王太子フェンネルだった。絶対に正体がバレるわけにはいかない。心揺れるヴィオラが選んだ道は!?
[商品について] ー人生の揺籃期に届ける言葉ー 教育は、目指す子供像に向かってときどきの課題解決を図りながら子供を育てる営みに他ならない。本書は、高校と中学校の教師生活の後に初めて校長として小学校に赴任した著者が、小学一年生から六年生までが集う、毎月1回行われる全校朝会や様々な学校行事の中で、命の大切さや思いやり、目標を持って明るく生きることなど、子供たちに繰り返し語りかけた逞しく生き抜くためのメッセージをまとめた作品である。楽しいことだけでなく、悲しいことや辛いことも含めて届け続けた言葉は、子供たちの成長の記録であると同時に、年齢を問わず今いちど原点に立ち返って大切なものを見つめ直すうえで格好の内容となっている。 [目次] はじめに 平成十四年度 ─ 中条町立柴橋小学校 平成十四年六月四日〜平成十五年三月二十四日 平成十五年度 ─ 中条町立柴橋小学校 平成十五年四月四日〜平成十六年二月五日 平成十六年度 ─ 中条町立柴橋小学校 平成十六年四月五日〜平成十七年二月三日 平成十七年度 ─ 三条市立月岡小学校 平成十七年四月二十七日〜平成十八年三月二十四日 平成十八年度 ─ 三条市立月岡小学校 平成十八年四月五日〜平成十九年三月二十二日 平成十九年度 ─ 三条市立月岡小学校 平成十九年四月五日〜平成二十年三月二十五日 平成二十年度 ─ 三条市立条南小学校 平成二十年四月二十三日〜平成二十一年三月二十五日 平成二十一年度 ─ 三条市立条南小学校 平成二十一年四月六日〜平成二十二年三月二十六日 幾年月を振り返れば あとがき 著者略歴 [出版社からのコメント] 知識や経験の少ない子供たちは、無防備なほどに純粋で繊細な心を持っています。その心にまで届くことができる言葉を生みだすのは、決して簡単なことではありません。本書の中には、苦心しながらも子供たちの問題と向き合い、ときには子供たちの未来に向けて語られた言葉の数々がまとめられています。教職に携わる方はもちろん、子供の教育に関心を持つ全ての方に手に取っていただければ嬉しく思います。 【著者略歴】 田村一二(たむら・かずじ) 昭和二四年(一九四九年)七月 新潟県生 昭和四七年 中央大学理工学部卒業 昭和四八年より、一〇年間、新潟県外の中・高等学校に勤務 昭和五八年四月から昭和六〇年三月 上越教育大学大学院 昭和六〇年四月より新潟県内公立中学校に勤務 平成十四年四月から平成二二年三月 新潟県内の小学校長歴任 平成二二年三月 定年退職
高校2年生のなずなのクラスメイト鈴白くんが突然命を絶った。 彼は明るくて容姿も成績も良く、悩みがなさそうな人。だから自殺なんてしない。皆そう思っていた。 彼の悩みに気付いていたらと後悔が膨れ上がり、鈴白くんと一緒に作った思い出の砂時計に「時間を巻き戻したい」と願って眠ると、 翌朝なずなは一ヶ月前に戻っていた。あれは夢だったんだと安堵し、普通に毎日を過ごしていたが、彼はまた死を選んでしまいーー。 ループする中で、なずなは鈴白くんを救えるのか? 学校では教えてくれない大切なことの全てがここにある! 何気ない毎日が愛おしくなる、勇気と希望の青春物語。
30周年を迎えた「タクミくんシリーズ」の魅力を網羅した豪華ファンブックが登場! ごとうしのぶ先生×おおや和美先生のスペシャル対談、タクミくんシリーズ完全版 プレミアム小冊子 「Thanks Book」に収録された未商業化作にごとう先生が新たに手を加えたSSや物語を彩ったおおや和美先生のカラーイラストを収録。さらには200名以上に及ぶキャラクターや“祠堂学院”のデータを徹底紹介! 『タクミくんシリーズ完全版(全11巻)』の解説集やカップル名場面集に加え、2023年に公開が決定している新シリーズ映画のスチールや主演俳優対談&キャストインタビューなど30周年を迎えた「タクミくんシリーズ」の魅力を、小説・映画それぞれの方向からスポットを当てた1冊。
北朝鮮の市井の人々が描かれた文学を読む 北朝鮮の市井の人々を描いた作品。 1988年に北朝鮮で刊行され、後に韓国で出版。さらにフランス、アメリカでも翻訳出版された。 アメリカの「ライブラリー・ジャーナル」で、2020年のBest Books翻訳文学部門の10冊に選出。 離婚を望む歌手である妻と、寡黙な技術者の夫。そして、その離婚の審議に当たる判事と、野菜の研究者として生きる妻。二組の夫婦の姿を軸に、地方都市の情景や、そこに生きる人々の心情を描く。 「北朝鮮の人が読む北朝鮮の文学とは何か? 1988年に出版されたペク・ナムリョンの小説『友』は、“北朝鮮”という言葉から思い浮かべるロケット弾や軍事パレードではなく、日常を呈している。〈中略〉 小説は、投機的なニュースよりも恒久的な事実を提供するかもしれない」 ーーー New York Times Book Reviewより 目次 第一章 ある夫婦 第二章 二つの生活 第三章 家庭 訳者解説
近所の木に身も世もなく恋をする「五月」、地下鉄駅構内で死神とすれちがう「生きるということ」、他人に見えないバグパイプの楽隊につきまとわれる「スコットランドのラブソング」、恋人がベッドの中で唐突に浮気を告白する「信じてほしい」、クリスマスイブの夜、三人の酔っぱらい女が教会のミサに乱入する「物語の温度」…。重層的な物語に身をゆだね、言葉の戯れを愉しむうちに、思いがけない場所に到達する12の短篇集。
その少年はすべてを目撃していたーーイングランドの架空の港町ディンマス、人々は複雑な事情がありながらも平和な生活を営んでいる。しかし、一人の少年によって人々の意識の裏に潜む欲望・願望・夢が暴き出されていく。平凡な海辺の町を丸ごと描いて、読む者を戦慄させるトレヴァー初期の衝撃作、ついに邦訳! イングランド・ドーセットの海辺の町ディンマス。復活祭を前に人々の生活は活気づいている。教会運営に悩む若い牧師夫婦、海岸を徘徊する退役軍人とその妻、息子に家出された老夫婦、互いの親が再婚して同居するようになった少年と少女、そしてタレント発掘番組に出演することを夢見る孤独な少年ティモシー。やがて彼は悪魔的な言動で人々の平和な生活の裏に潜む欲望・願望・夢を暴き出していく……トレヴァーのダーク面が炸裂する群像劇にして、1976年ウィットブレッド賞を受賞した傑作長篇がついに邦訳。
雹と雨と雷鳴の狂乱とも形容すべきすさまじい嵐の夜、没落した名家バナーワース家の館の一室で眠るフローラは、ふと得体の知れない何者かが窓を破って部屋に侵入しようとしていることに気づく。恐怖で凍り付き、四肢を硬直させ、「助けて」とつぶやくことしかできないフローラが目にしたのは、血の気のない蒼白な顔、磨かれたぶりきのような目、深く裂けた唇、そしてぞっとするような瞳にも増して、なにより目を引く、白くぎらぎらした鋭い牙のような、猛獣のそれを思わせる突き出た醜悪な歯を持つおぞましい生き物であった。部屋に侵入した怪物は、不気味な咆哮をあげながらフローラに近づき、その長い髪を手にからめとって体をベッドに押しつけると、鋭い金切り声を上げるフローラの喉笛に牙のような歯を突き立てた。ほとばしる血潮が滾々とあふれ、室内にはそれを吸う異様な音が響いた…… ヴィクトリア朝時代のイギリスで、週刊の安価な媒体に連載された《ペニー・ドレッドフル》の代表的な作品であり、以後のあらゆる吸血鬼作品や吸血鬼造型の原点ともなったゴシック・ホラー小説の伝説的作品、世紀を超えて、ついに刊行開始! 【炉辺談話】 『吸血鬼ヴァーニー 第一巻』(山口雅也) 第一部 バナーワース館の吸血鬼