2024年12月発売
ああ、夢は、どうしてこんなに美しいのだろう。 叶わないとわかっていても、こんなにも心を掴んで離さないのだろうーー うちに秘めた夢を明かし、散り去る彩輝晶。残るは二つ、光と闇を宿すそれぞれの輝晶は語る。人々の夢を担い、光神サマーアを打ち砕いたアライス。太陽姫と呼ばれる彼女が、ずっと隠してきた目映いまでに純粋な願いを。そして叶わぬまま抱き続けるツェドカの狂おしい想いを。本篇堂々完結! 中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 3』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片 最初の夢」を新たに収録。
◆あらすじ 「好きでもない女と結婚するのは絶対に嫌だ」「自分たちは宮家に生まれて、あれこれ苦労した」「あの女王さまでは、子どもをお産みになることは出来ないでしょう」--。 さまざまな立場に葛藤する皇族を描いた5つの短編には、読む者を圧倒する”心の内”が綴られる。これまで描かれたことのない、衝撃の短編集。 * 妹の友人に恋焦がれ、ようやく結婚目前まで漕ぎつけた久邇宮朝融王は、彼女にまつわる“ある噂”を耳にし、強引に婚約を破談にした。その後、別の宮家の子女と結婚したものの……(「綸言汗の如し」) 徳川家の若き未亡人・実枝子は、喧嘩の絶えなかった夫・慶久が妾との間に遺した子に愛情を注げず苦悶していた。思い起こせば、あの頃は本当に幸せだったのに。(「徳川慶喜家の嫁」) まもなく結婚の沙汰が下るのではないかというある日、久邇宮家の息子たちは声を潜めて話していた。「内親王はご免こうむりたい」--(「兄弟の花嫁たち」) 九条家の子女・節子は15歳の時に嫁いだ。のちの大正天皇の后(貞明皇后)である。夫は妻を顧みないにもかかわらず子ばかりが生まれ、節子は悲しみに歯を食いしばる。(「皇后は闘うことにした」) 貞明皇后の秘蔵っ子・秩父宮に嫁いだ勢津子もまた、皇后によって選び抜かれた秘蔵の嫁だった。だが、2人の間に子はできず、秩父宮も病を得てしまう。(「母より」) 綸言汗の如し 徳川慶喜家の嫁 兄弟の花嫁たち 皇后は闘うことにした 母より
『あら皮』の結末から、天国を透かし見る。ダンテとラブレーの精読を経て、悪魔に魂を売った破滅の物語の『あら皮』は、罪の浄化というもう一つの物語に反転するー。「風俗研究」と「哲学的研究」の架橋を目論むバルザックの広大な構想が明らかに。
満洲に生まれ育ったラトヴィア人が描く グローバルな満洲史 ハルビンは十九世紀末の建都以来、およそ半世紀の間に、目まぐるしく支配者を替え、それとともに様々な民族が出入りし、多民族のるつぼが描き出す町の絵柄も変わっていった。そのすべてをハルビンに生きて自ら経験したからこそ、カッタイスは自分の上に「一〇の国旗」がはためくのを目撃するという歴史の稀有の証人になったのだった。(沼野充義) 満洲と呼ばれた、二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭に運命に引き寄せられた中国人、ロシア人、日本人、朝鮮人、ユダヤ人、タタール人、ポーランド人、そしてラトヴィア人とが、寄り添うように生きた日々を書いたにすぎない。……下世話な話ばかりで真面目さに欠けると言われるなら、それも仕方があるまい、フランス語ならケセラセラと言うところだ。世界の波に揺られる人間の営みは、万事ろくでもない勘違いかもしれないのだから。(カッタイス「あとがきにかえて」より)
アメリカの架空の町にある高齢者入所施設の日常と人物を題材に、それぞれの「人生」がユーモアたっぷりに描かれる。85歳で文壇デビューし、好評を博した小説の完訳。 第一章 日記をつけること 第二章 サ ラ 第三章 アンジェラ 第四章 葛(くず)に占拠された家 第五章 アーサーのニュース 第六章 家主に会いに行く 第七章 ミス・ミーニャ 第八章 インディアン・サマー 第九章 心の友 第十章 愛しの廃墟 第十一章 お祝い 第十二章 熟 考 第十三章 思い出を語る夕べ 第十四章 歓 迎 作者紹介・訳者あとがき
『希望の光』ともふもふたちで、村のみんなを元気にしよう! もふもふだらけの異世界ファンタジー、第十八弾!
ひとりのイギリス人船乗りが、ある日を境に海賊になった。やがて彼は、厳格な規律と度肝を抜く戦略で“海の英雄”となる。カリブ海で名を馳せた大海賊バーソロミュー・ロバーツとその時代を描いた2007年6月刊の新装版。
第三小学校の校長として、長く地域に尽力した高村正子さんが亡くなった。彼女の死を悼んだ後輩の教師たちにより、生前勤めた学校で「高村正子先生を偲ぶ会」が開かれることに。 教え子、友人、趣味の仲間、同僚……生前、彼女と関わっていた人々が偲ぶ会に持ち寄るための思い出の品を準備しながら、高村先生からもらった言葉や教えを振り返る。浮かび上がるのは、頼りがいがあって、生徒と真摯に向き合う高村先生の姿。しかし、実の娘だけは彼女に複雑な気持ちを抱いていてーー。 一人の女性教師と周囲の人々との交錯を、温かな筆致で描いた感動作。
『わが名はコンラッド』、『光の王』、〈真世界アンバー〉シリーズなど、60年代のアメリカSF界を牽引した作家ロジャー・ゼラズニイの傑作『ロードマークス』を新たに翻訳。過去、未来を自在に行き来できる〈道〉を疾走する一台のピックアップトラック。そのドライバー、レッド・ドラキーンを暗殺すべく、〈黒の十殺〉が追いかける、緊迫のロードノベル! ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者ジョージ・R・R・マーティン製作総指揮による映像化原作小説!
『デスマ』の魅力が満載の、ファン必携シリーズ第3弾! 1.愛七ひろ先生監修、イラストつきでサトゥーがこれまでの旅路で食べてきた料理をまとめた、グルメハンドブック! 2.風花風花先生、狐印先生、椎名優先生、珠梨やすゆき先生、とよた瑣織先生によるフルカラーゲストイラスト! 3.10周年記念キャラクター人気投票結果発表&1位特典SS! 4.過去の特典SS28本を収録! 5.200ページ超の書き下ろし小説『小さな翼と砂の海』収録!
王国一と謳われる魔法使いソフィは引っ越し屋を営む少女。 今度のお客さんは、ダンジョンに住みたいという研究マニアの学者に、地上の暮らしに憧れる天空城住まいの女の子!? ダンジョンを「内見」しながらクリスタルに秘められた謎を探ったり、罠や仕掛けだらけの天空城に悪戦苦闘していたら、魔王が生きていた五十年前の過去から「あるもの」の引っ越しに挑むことになってーー? 剣と魔法の世界で紡がれる出会いと別れの物語、第二弾。
異能の力を持つ「侍」が治安を守る日本。平凡なサラリーマンの慎之介は、ある日、目前で発生した「幻獣災害」により、隠していた無双の剣術の力を解放することに。 その場で幻獣対策を仕事にしていた年下の美人幼馴染み・咲月と久々に再会したことから、多額の報酬と引き換えに正体を隠しての助力と指南を頼まれ、定期的に頼りにされることに!? さらに職場の権力者と縁ができたり、業務を邪魔するクレーマーに一泡吹かせたりと普段の仕事も好転していき……?
九州を襲った悪魔の大攻勢で魔装機体・御影一号機を駆り多大な戦果を挙げた川上啓太。異例の昇進も果たし、国防の要としての任務が与えられることになるーーかと思いきや、上層部から舞い込んだのは、強化外骨格の新型開発。 御影を唯一自在に操れる機士である啓太に、歩兵用兵装の開発を命じるのは、彼を疎んじる派閥の陰謀としか思えない。 しかし、その時点ではまだ誰も知ることはなかった。それが新たな英雄の誕生を世界に示す戦いになるということを。
怪物が巣食う島に取り残され、10年の時が経った元剣術師範・オウル。このまま人生を終えるかと思っていたがーー 「先生、一番弟子のわたしが助けに来ました!」かつての弟子・ラトリスによって助けられ、島から出ることに。外の世界では、かつての弟子がみんな英雄になっていたうえ、「世界最強の剣士? 先生に決まっているじゃない!」と、オウルのことを剣聖だと喧伝していて!? 自己評価低めの無双剣士 ×師匠を慕う美少女弟子たちによる、異世界船旅、出航!