2024年7月31日発売
北海道・静内の牧場で「幻の三冠馬」を父馬に産まれたシルバーファーン。牧場長の菊地俊二は、その身体能力に期待をかけつつも性格の難しさに課題を感じていた。懐いている牧場従業員のアヤの素行も悩みの種である。馬主となったのは、茨城県・美浦の二本松調教師と牧場を訪れた、競馬には素人同然の広瀬夫人。ファーンの担当には調教助手の“鉄子”が任命され、俊二の兄である菊地俊基騎手とのコンビで順調に戦績を重ねていくが、大事なレースで運命が急転し…。馬とともに歩む日々は、煌めきに満ちている。波乱の日常と爽やかなラストが胸を打つ、新たな馬文学!
東日本大震災の翌年、2012年夏。都内で起きた四件の殺人。被害者は全員、四半世紀前の都内飛翔弾事件の容疑者だった。同一犯か、別個の事件なのか。そして犯人の動機は?捜査一課理事官の高峰、目黒中央署署長の海老沢。病を得、妻との別離の予感を抱え、激変する時代に翻弄される二人の刑事は、それでも警察の未来を見据え、後進に背中を見せ、最後の戦いに臨む。
法廷に囚われた100人を、ひとり残らず救い出せ! 未曾有の連続爆破事件から一年。 スズキタゴサクの裁判の最中、遺族席から拳銃を持った青年が立ち上がり法廷を制圧した。 「みなさんには、これからしばらくぼくのゲームに付き合ってもらいます」 生配信で全国民が見守るなか、警察は法廷に囚われた100人を救い出せるのか。 籠城犯vs.警察vs.スズキタゴサクが、三つ巴の騙し合い! ★★★絶賛の声、続々!!★★★ 「どんでん返しの帝王」の異名を取るアメリカの作家ジェフリー・ディーヴァーも顔負けと言えよう ーー千街晶之(書評家) エンターテインメント小説として、本当に面白い。なのに注意しろ!と鐘の音が鳴り続ける ーー藤田香織(書評家) 今年のミステリー賞を総なめにすること間違いなし ーージュンク堂書店滋賀草津店 山中真理 緻密に組み上げられた緊迫の襲撃・籠城サスペンスにして、無敵の爆弾魔・スズキタゴサクの新たな物語 ーーときわ書房本店 宇田川拓也 あの衝撃の一作目を上回る面白さ! ーー紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織
団地の僕たちは、どうしてあんなに馬鹿で痛くてゴキゲンだったんだろう。宿敵・管理人との対決、雑木林のひょうたん池の謎、捨て犬失踪事件、テレビゲーム禁止令…。喘息持ちの気弱な少年・蓮が、悪ガキの世界へ踏み出す冒険の一歩。『荒地の家族』の新鋭による芥川賞受賞第一作。
調教師の男とその犬グレイスが深山で遭難した。劇的に逆転する人と獣の主従関係。山中での壮絶なサバイバル。そこに露呈した「命」の本質とはー。現代の東京にシャーマンと革命の時空を出現させ、選考委員の高評価を得た新潮新人賞受賞作「シャーマンと爆弾男」を併録。
謎と科学の大好きな少女、晶の前に現れた、ぬいぐるみの姿をした少年神、にゃん太。研究者となった晶の前に立ちはだかるのは、過酷なアメリカ留学、セクシャルハラスメント問題、マンション内で起きたストーカー事件、教育現場での容赦のない攻撃…。迫りくる運命の奔流の中、にゃん太は最後まで晶を守り切ることができるのか?そして物語は新たな世代へー。世代を超えたサバイバーたちの戦いの日々を描く。
型通りの美術史や名画解説では飽き足らない人へ。キリスト教、社会史、美学、絵画技法…etc.古代ローマから現代まで、西洋美術を立体的に捉える新しい手引書。計313作品とともにあなたの“見る眼”を開かせる。
吉原、加賀鳶、町鳶、下級武士、町奉行、江戸詰商人。往時の世界を生き生きと描く、天明期の時代小説!大江戸で繰り広げられる二組(町鳶と江戸奉公女、花魁と商家若旦那)の恋愛物語!
作家志望の青年・卓也が、尊敬する幻想文学の巨匠の家で出会った美少女・幸子。彼女の家庭教師として深い森の奥にある屋敷へと通うようになった卓也は、そこで作家へのチャンスを手にし、引き換えのように不穏に苛まれはじめる。やがてそれは、封印された記憶を呼び覚ましー「幸福」の形を問う、超自然的ホラー。第二回ステキブンゲイ大賞準大賞受賞作。
死地を脱した虎長は伊豆でブラックソーンに鉄砲隊の整備を命じる。西の大将・石堂と亡き太閤の側室・落葉が虎長への包囲網を狭めており、合戦の日は着実に近づいていたのだ。だがある日、石堂の使者を長門が暗殺し、事態はにわかに風雲急を告げる。窮地の虎長は乾坤一擲の反撃策、“紅天”の始動を宣言するが…。
急転直下、降伏を表明した虎長は真意を語らぬまま沈黙を保っている。一方、まり子と安針はそれぞれの思いを抱えつつ大坂へ向かっていた…東と西、カトリックとプロテスタント、男と女ー彼らの思惑が交差するとき、運命は誰に微笑むのか。「青い目」を通して描かれる一大スペクタクル、堂々完結。
居場所のないまま生きていくだけだった歯科衛生士の美波。付き合っていたはずの男が、勤め先の後輩と結婚するという。むしゃくしゃした気分のまま風に煽られるように町はずれの赤ちょうちんにたどりつくと、隣り合わせた西という男のボートレースの話に興味を引かれ、その店に足繋く通うようになる。西との出会いは、沈めたはずの記憶を呼び起こし、誰も愛せない彼女の深い場所に沈んでいくきっかけとなるが…。寄る辺ない女性の想いが、男の人生の時計を大きく動かしだす!
人は生きる為に食べ、食べる為に生きているような気がするんだけど…、だからこれからの僕みたいに、遠い将来も食べていけるように、今は勉強して進学して、何かの仕事に就けるように頑張ってるんだ。感性豊かな青年に巡り合わせの女性との情感的な行く末とは。母と女たちの迫間に揺れ動く青年の未来とは…。