2003年1月22日発売
発売元
キングレコード株式会社着実に歩を進めてきた全集は18を数える。復活祭にちなんだ3作を聴く今回はTpも活躍。日本の古楽演奏レベルの成熟度を測る目安ともなるこのシリーズ、演奏も録音もきわめて安定したもので、バックアップの企業メセナが珍しく安定していることも記したい。
ザンデルリンク87歳の時の録音。第2楽章での強い緊張感のもとでの堂々とした歩み、第3楽章でのリズム感など素晴らしい。テンポを揺らしたり、ことさらブルックナーの雄大さを強調することはないが、細部にまで行き届いた視点と全体のバランスとが絶妙である。★
何年ぶりだろう? ニューヨークでの刺激的な音作りなどをはさんで、再びトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに起用した伸びやかなポップス。すべてトーレの打ち込みと演奏によるものだが、機械的ではなく実にハート・ウォーミング。ファルセットがとてもキレイ。
このCD、聴いて良かった……歌とギターによる、シンプルでアルカイックで、ほのかに民族的な、かけがえのない宝のような歌の数々……音楽は聴き手を襲わず、静かに穏やかに、しっとりとしたため息とともに我々の心へそっと忍び込む。ただひたすらに音楽。★
天才マンドリン奏者クリス・シーリー率いる3人組、ニッケル・クリークのニュー・アルバム。生音が奏でるあらゆる可能性を追求した、その独自のニュー・アコースティック・ポップスは要注目だ。
制作・出演
ジャン=フランソワーズ・アントニオリ / チェチーリア・ガスディア / フランチェスコ・エッレーロ=ダルテーニャ / ベルナルダ・フィンク / ミシェル・コルボ / ルチアーノ・スグリッチ / ロッシーニ / ローザンヌ声楽アンサンブル / ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ制作・出演
コロンヌ合唱団 / コロンヌ管弦楽団 / ジョゼ・ヴァン・ダム / テレサ・ベルガンサ / パリ・アウディテ・ノヴァ声楽アンサンブル / フィリップ・コルボ / ミシェル・コルボ / モーリス・デュリュフレソフトで温かみのこもった宗教合唱作品の世界で他の追随を許さないコルボによる名盤の再発。見事なバランスで真摯に歌う合唱が豊かなホール・トーンを伴って響くなかに、安らぎと慈しみが拡がってゆくかのように感じさせる手腕は、さすがコルボの面目躍如といえるだろう。
制作・出演
アラン・クレマン / アンネリーゼ・テオドロス / イサベル・バルモリ=パデスカ / グノー / ステファン・インボーデン / マリー=クレール・アラン / ミシェル・コルボ / ローザンヌ声楽アンサンブル / ローラン・ダミ制作・出演
エリザベト・シルヴェイラ / オードリー・マイケル / シューマン / スザンナ・テイシェイラ / マルクス・シェーファー / ミシェル・コルボ / ミシェル・ブロダール / リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 / リリアーナ・ビツィネケ=アイジンガー制作・出演
オードリー・マイケル / ベートーヴェン / マルクス・シェーファー / ミシェル・コルボ / ミシェル・ブロダール / リスボン・グルベンキアン財団合唱団 / リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 / リリアーナ・ビツィネケ=アイジンガー今やベルリン・フィルの指揮台にも立つクリスティの2003年の来日を記念してのベスト盤。モンテヴェルディからモーツァルトまでを集めた目配りの利いた選曲で、アグニューやジャンス、デセイのソロも聴けるなど、多彩で雅趣の香ただよう彼らの魅力を盛り沢山に収録。