2009年4月22日発売
カラスの真骨頂が発揮された名盤。真価が認識された「アンナ・ボレーナ」からの20分の抜粋をはじめ、「ハムレット」や「海賊」と、カラスの迫真の表現力や演技力が凝縮されている。彼女の天才ぶりが刻まれた貴重な記録だ。
80年代から活躍するエレクトロ・ロック・バンドの2009年リリース作。アナログ・シンセやドラム・マシーンなどを使用したレトロ・フューチャーなサウンドに、これまでにないブラック・ユーモアをちりばめた、エネルギッシュな一枚。
70年代の懐かしのヒット曲が詰め込まれたコンピレーション・アルバム。“もう一度聴きたい”というテーマのもとに選曲された内容で、かぐや姫「神田川」や川島英五「酒と泪と男と女」などが収められている。
筋肉少女隊再結成に作家活動と何かと多忙な大槻ケンヂ、デビュー20周年記念のソロ作は、自らが筋少や特撮で発表してきた曲をメインにしたカヴァー・アルバム。ブルーノート・ジャズのアートワークを意識したジャケット同様、これまでの彼にない洗練された趣が光る。
俳優、タレントとして活躍している、つるの剛士のファースト・ソロ・アルバムは、アニメの主題歌も入ったカヴァー集。彼と同世代のリスナーは強く共感できるはず。中でもKANのカヴァー「永遠」は、素直に泣ける一曲。「WINDING ROAD」には中村あゆみとSkoop On SomebodyのTAKEが参加している。
制作・出演
シモーネ・ヤング / ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団 / ファルク・シュトルックマン / ペーター・ガイヤール / ヤン・ブッフヴァルト / ユルゲン・ザッハー / ラディスラフ・エルグル / ワーグナー / ヴォルフガング・コッホジンマン、ノリントン路線を踏襲した小型、軽量、快速路線のベートーヴェン。細部の追い込み方はこの二者以上とも言えるもので、なかなかにピリリと辛い。オノフリのような自分勝手でもなく、プレトニョフのような思いつきでもない、真摯な演奏だ。
この曲の第3楽章の響きにこれほど多様な表情が潜んでいたのかと認識が洗われる。殊更な仕掛を弄しているわけではない。敬虔崇高な構えを作らず、沈着に耳を働かせて響きの色や質感の違いを引き出すことで、遥かな想いが巡りゆく未見の音の姿が浮かび上がる。★
作曲家、編曲家、オーケストラ指揮者の顔を持つ音楽家、ウーゴ・モンテネグロの69年作(日本初CD化)。ビーチ・ボーイズの「グッド・ヴァイブレーション」にはじまり、得意の映画音楽を含む多彩なポピュラー・ソングの数々を、魅力的に料理している。素材の良さを活かす一流のシェフだ。
ジャンルを越えて活動していた沢井忠夫を中心とした邦楽奏者たちと、日本ジャズ界の名プレイヤーたちによる異色のバッハ名曲集。どんな楽器やアレンジをも呑み込んでしまうバッハの懐深さと、録音時から約40年を経た今日でも面白く聴ける着想の妙に感嘆することしきり。
カントリー系の伝説的なギタリスト、チェット・アトキンスの68年発表作。改造した“オクターブ・ベース・ギター”を駆使しながら、ジャズ・スタンダードやヒット・ソングを取りあげた。多重録音して大半を一人で録音したようだ。独特なテクを楽しめる。
80年代にアイドル的な人気も得た女性ジャズ歌手と、カルロス菅野率いる広角型ラテン・ジャズ・バンドが和気あいあい、素直に重なった共演作。きらびやかで弾力ある重厚サウンドのもと、ちょいハスキーな歌声が気持ち良さそうに泳いでいる。好企画作。
アメリカのオーディション番組『アメリカン・アイドル』で優勝を勝ち取ったロック・アーティスト、デヴィッド・クックのデビュー・アルバム。彼が敬愛するクリス・コーネルらとともに製作した、ハードなロック作だ。
小室等、及川恒平、四角佳子の3名から成る“まるで六文銭のように”が、小室の娘・こむろゆいの加入で“六文銭'09”として活動を開始。アコギ2本と歌のみという構成で、フォーク・ソング研究会を思わせる真摯な歌を聴かせる。「出発の歌」はやはり名曲。