2010年10月27日発売
今回は久石譲と巨匠スパークの書き下ろし作品が目玉。久石の「4つのバガテル」はリズミックで躍動感に満ちた佳曲であるし、スパークの「リフレクションズ」は穏かな曲想の柔和な作品。これ以上に面白かったのはノレやセロツキで、奏者一人一人の高度な技術と歌心が十全で魅せられる。
菊地のベートーヴェン・シリーズの2枚目。今回は、初期のソナタ集だ。初期とはいえ、その一曲一曲は実験精神に貫かれている。菊地の目指すところもその進取の気象に富んでいることの表出のようで、明瞭なタッチ、明確なリズムやダイナミズムなど、新鮮なベートーヴェン像を打ち立てている。★
サンフランシスコの暴走軍団による特別作。本来はセカンドで本邦デビューする予定だったが、ツアー中の2010年8月にヴォーカリストが他界、ファーストも収録した追悼盤でもある。ハードコアがスラッシュへと発展していった80年代中期を彷彿とする音、怒りを放射する歌。激烈エネルギーが満載。
アニメーション音楽に幅広く楽曲を提供しているユニット、GRANRODEOによる2010年10月発表のシングル。タイトル曲は、TVアニメ『咎犬の血』のオープニング主題歌に起用の、アグレッシヴなロック・ナンバー。
チェコ音楽界の重鎮エリシュカと2008年からの付き合いの札響は相思相愛。あまり取り上げられないこの2曲だが、ドヴォルザークらしいメロディをたっぷりと歌い、いい意味での泥臭さといった魅力を十分に引き出してくれた。作品への思い入れの深さが、聴き手も熱くさせる。
ブラス編成でロックをやる、という8人編成バンドのセカンド。パワフルで派手なバンド・サウンドがロックをはじめディスコやラテンなどを次々に繰り出し、ややハスキーな声の表現力豊かなヴォーカルがエネルギッシュに歌う。テンション高めなパーティ・アルバム。
“カミソリ灘”の異名を持つ、プロ雀士で日本プロ麻雀連盟の会長でもある灘麻太郎のシングル。これまでNHKのテレビ小説『すずらん』の主題歌を柊瑠美とのデュエットでリリースしたりと多才ぶりをみせているが、今作は演歌調。卓を囲んでいる時に聴きたいものだ。
制作・出演
ウェンディ・チャンプニー / カルミナ四重奏団 / ザビーネ・マイヤー / スザンヌ・フランク / ステファン・ゲルナー / マティアス・エンデルレ / モーツァルト / ヴォルフガング・マイヤー真ん中が兄妹の共演、前半が妹、後半が兄という珍しいソロの分配である。妹の方がなめらかで太い音色だが、カルミナSQの個性ある音も魅力。特にモーツァルトではノン・ヴィブラートを強調、一方のブラームスはスケールが大きく変化に富んでいる。