2019年10月25日発売
フランスのアルセストが放つ、ニュークリア・ブラスト移籍後初、通算6枚目のアルバム。 ギター、ヴォーカルからドラム、シンセサイザーまでもこなす真の天才マルチプレイヤー、ネージュが夢に見た色も形もない 架空の世界を音で表現したというその世界観は、本作でも炸裂。ブラック・メタルを美の極致へと昇華した別世界の音楽、ここに極まれり。 もともと80年代のイーヴルなスラッシュ・メタルへの回帰という側面を強く持っていたブラック・メタルであるが、 現在そのスタイルは限りなく拡散していると言える。おそらくは、シンセサイザーというあらゆる楽器、声の代替となりうるものが 基本編成に組み入れられていたこと、そしてBurzumが発明した(少なくともVarg本人はそう豪語している)単音トレモロという、 わりと自由度の高いリフスタイルが中心であったことにより、ブラック・メタルは他ジャンルと結びつきが容易だったのではないか。 そんなスタイル拡散の最右翼バンドが、フランスのアルセストである。 最近の音だけ聴けば、果たしてなぜこれがブラック・メタルの文脈で語られるのか不思議なほど、その音楽性は独特である。 最右翼「バンド」という書き方をしたが、事実上アルセストは、ヴォーカル、ギター、ベースはもちろん、 キーボードやドラムまでもこなす文字通りのマルチ・プレイヤー、ネージュこと、ステファン・ポーのソロ・プロジェクト。 どんな楽器でもこなせることから、数多くのバンドに関わってきたネージュであるが、00年代初め、悪名高きペスト・ノワールで ギターやドラムを演奏していたことからもわかるとおり、その出自はやはりブラック・メタルと言える。 アルセストの始動は99年頃。01年にデモ『Tristesse hivernale』、05年にはEP『Le Secret』をリリースしているが、 これらの作品も十分ブラック・メタルで語れる範疇の作品である。アルセストがその独自のスタイルを完成させたのは、 07年に発表されたデビュー・アルバム『Souvenirs d’un Autre Monde』において。 ネージュは04年、オードリー・シルヴァンとともに、Amesoeursを結成。 このバンドは、Burzum、The Cure、Depeche Mode、Sonic Youth、Katatonia 、New Order、Joy Division等から影響を受けた、 つまりブラック・メタル、ポスト・パンク、ゴスを融合させたまったく新しい音楽性を持っており、言うなればこのバンドこそがアルセストのプロトタイプだったのである。 Amesoeursは09年、バンド名を冠したアルバムをリリースしたのち解散してしまうが、ネージュはアルセストにおいて、 「ブラックゲイズ」などと形容されるそのスタイルを継承、追求していくことになる。 アルセストの音楽についてネージュは、彼が子供のころに夢で見た「色も形も音もない架空の世界」を音で表現したものだとしている。 アルセストの奏でる音は、とにかく美しい。済んだ歌声、トレモロ・ギターのハーモニー。これらの形容は、一般的なブラック・メタルのそれとは真逆とも言える。 先ほど「ブラックゲイズ」という言葉を使ったが、これはアルセストのトレモロ・ギターが、シューゲイザーというジャンルを想起させることから生まれたジャンル名だ。 だが、ネージュによれば、『Souvenirs d’un Autre Monde』をリリースした時点では、いわゆるシューゲイザーといわれる音楽を聴いたことはなく、 その根底にあるのはやはりBurzumであるとのこと。 そんなアルセストのニュー・アルバム、『スピリチュアル・インスティンクト』がリリースとなる。 前作『Kodama』(映画『もののけ姫』にインスパイアされたアルバムだ)から3年ぶり、ニュークリア・ブラストへ移籍後初のアルバムだ。 本作の製作は、ネージュ曰く「長く困難だけどやりがいのあるプロセス」であったが、「その仕上がりには本当に満足している」というだけあり、 夢の世界を音楽で表現しようとしたというのが実によくわかる仕上がり。別世界の美しさを語るネージュのヴォーカルの美しさと、 ブラック・メタル的暴虐性のコントラストというアルセストの持ち味が十分に発揮されたアルバムだ。 全6曲40分強というアルセストのおなじみの構成に加え、日本盤にはボーナストラックとして、同郷フランスのシンセウェイヴ・ミュージシャン、 Perturbatorによるリミックス・ナンバーを収録。エクストリーム・メタル・ファンだけでなく、ポストロックや先鋭的な音楽好きに強くアピールする強力な作品である。 【メンバー】 ネージュ(ヴォーカル/ギター/ベース/シンセ) ヴィンターハルター (ドラムス)
ロック・シーンにおける孤高のレジェンド、ニール・ヤング、 2012年の『Psychedelic Pill』以来となるクレイジーホースとの最新作をリリース! 『コロラド』は、2012年の『サイケデリック・ピル』以来となる、ニール・ヤングとクレイジー・ホースによる新作音源となる。 ここ数ヶ月でニールが披露していた楽曲や(「レインボー・オブ・カラーズ」「グリーン・イズ・ブルー」「ミルキー・ウェイ」)、 13分を超える大作「シー・ショウド・ミー・ラヴ」などを含む計10曲の新作。 今作はニール・ヤングと、ジョン・ハンロン(John Hanlon)によるプロデュースで、2019年4月と 5月にそのほとんどを一発撮りで、 コロラドのロッキー・マウンテン・スタジオにてレコーディングされた。追加のミックスを、マリブにあるシャングリラスタジオにて実施し、 バーニーグランドマン・マスタリングのクリス・ベルマンがマスタリングを手掛けた。 この作品は、日本独自企画となる高音質SHM-CD仕様でリリースされる。
僕がこれまで作った中で、最も正直でパーソナルなアルバムだと思う。ジェイムス・ブラント、ニューアルバム! 「僕がこれまで作った中で、イチバン正直なアルバムになっていると思う。」「『バック・トゥ・ベッドラム』は、僕の人生の経験について 書いた楽曲という点ではとても似ていると思う。それが僕の原点でもあるからね。そして、この(『ワンス・アポン・ア・マインド』)の楽曲も、 今まで経験してきたこと、経験していることを表現しているんだ。とってもパーソナルなアルバムだし、これを発表出来てとても嬉しく思っているよ。」 ーー ジェイムス・ブラント 前作『ジ・アフターラヴ』にてエレクトロニカ・サウンドへの傾倒を見せ、新たな一面をみせたジェイムス。 今回は、デビューとなった『バック・トゥ・ベッドラム』に似ていると本人が語っている通り、更に更に、ハートに響くであろう楽曲を引っ提げて戻ってきた。 アルバムの全体像を窺い知るには十分であろう、先行シングル「コールド」は、これぞジェイムス・ブラントというべき美しいナンバーに仕上がっている。 6枚目となるアルバム『ワンス・アポン・ア・マインド』は、過去にもタッグを組むスティーヴ・ロブソン、ジミー・ホガース(Amy Winehouse, Corinne Bailey Rae)など 様々なプロデューサーと制作を行い、以前にも増してその美しさを追求したようにみえる。 胸を打つバラード「モンスター」、キラキラ・ポップな「5マイルズ」、アコースティック・ギターが印象的なカントリー・テイスト・ナンバー「ハーフウェイ」など、 彼のソングライティング力の高さを証明するような美しい楽曲ばかりが収められている。 ジェイムスは大傑作となったデビュー・アルバム『バック・トゥ・ベッドラム』を2004年の秋にリリースし、 まもなくセカンド・シングル「ユア・ビューティフル」が全英アルバム&シングル・チャートで、同時NO.1に輝くという快挙を成し遂げ、文字通りのグローバル・ヒットとなった。 これまでに2,300万のアルバム・セールスを記録、最近ではTwitterでウィットにとんだ投稿をすることでもお馴染みである。