著者 : ジュリア・ジェイムズ
働きづめのシンデレラが望むのは、 お金ではなく、愛だけ。 2年前、リサと妹は家族旅行中に事故に遭って両親を亡くし、 一命は取りとめたが、妹は脚の大怪我で歩けなくなってしまった。 でも高度な治療を受ければ、きっとまた歩けるようになるはず。 リサは治療費を稼ぐため、昼は会社員、夜はカジノで懸命に働いた。 そんなある日、カジノの顧客で実業家のグザヴィエから誘惑されて 心が揺れるが、リサは拒んでしまう。 妹を差し置いて、私だけ幸せになるなんてできない……。 やがて妹の恋人の援助で受けた治療が功を奏し、安堵したリサは、 ついにグザヴィエに身も心も捧げるが、直後、彼が豹変した。 「僕の弟の恋人というのはきみか? やはり金目当てなんだな!」 朝から晩まで、妹のために身を粉にして働くヒロイン。弟に金をたかる恋人がヒロインだと誤解して激怒するヒーロー。大切な家族を守ろうとする二人が運命の恋に落ちて……。大スター作家リン・グレアムに迫る、スター作家ジュリア・ジェイムズの渾身作!
金目当ての悪女の白い結婚なんて、 いったい誰が信じるだろう? エリアナはパーティ会場で見覚えのある顔を見つけ、凍りついた。 元婚約者のレアンドロス! 6年前、エリアナは婚約指輪を返し、 別の男性と政略結婚した。病床の父と困窮した家を守るための決断 だったが、彼は知る由もない。しかも夫は事故死してしまい、 エリアナは遺産も屋敷もすべて義父に奪われて放り出され、 今は薄給のパート従業員の身。だが彼はその弱みを知ってか、 強引に彼女をパリへ連れ出し、贅沢に着飾らせ、オペラに同伴し、 ついにはベッドへ組み敷いた。ああ、これが新婚旅行だったら……。 すると突然彼女が苦悶の声をあげ、レアンドロスはショックで 呆然とした。「きみは初めてだったのか? どういうことだ?」 大スター作家リン・グレアムも惜しみない賛辞を贈る、スター作家ジュリア・ジェイムズのドラマティックなシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。最愛の人から“不実な婚約者”と罵られても、ヒロインには守るべき秘密があって……。感涙必至の珠玉作!
ロンドンのホテルで働くアレイナは、一人の男性客を目にして凍りついた。嘘でしょう?なぜラファエロがここにいるの?イタリアの富豪弁護士である彼とは5年前、カリブで出会った。互いに惹かれ合って逢瀬を重ね、アレイナは永遠の愛を夢見た。ところが突然彼に“僕は誰とも結婚しない”と冷たく拒絶され、涙を堪えて、帰国するラファエロを見送るしかなかった。呆然とするアレイナのもとに、4歳になる息子が駆け寄ってきた。じつは別れた直後に妊娠がわかり、密かに産み育ててきたのだ。するとラファエロが表情を一変させ、彼女に詰め寄って…。
雨の夜、ウエイトレスのコニーは富豪ダンテの車に乗せられていた。認知症の祖母をかかえ、家を立ち退くよう迫られていた彼女は、切羽詰まって思わずダンテにその事情を打ち明けてしまう。彼は意外な返事をしたー自分と結婚してくれるなら、家の権利証を君のものにし、介護にかかる費用も負担しようと。コニーは驚いたが、これ以上ない申し出にダンテの求婚を受け入れた。結婚してからも二人はイギリスとイタリアで別居生活を送っていたが、いつしか彼女はある望みか胸を焦がしているのに気づいた。プレイボーイのダンテが私になんの興味もないのはわかっている。でも一度でいいから、夫に女性として求められてみたい…。
夫の葬儀の日、クリスティンはアナトールと再会した。夫の甥で、一族が率いる企業帝国のCEO、そして…元恋人。彼は私を、伯父を罠にかけて妻の座にありついた金目当ての女と決めつけ、容赦ない言葉を浴びせてくるだろう。でも5年前、当時、余命僅かだった彼の伯父と結婚したのは、生まれてくる我が子に家と家族を与えるためだった。クリスティンがアナトールに捨てられたあと、妊娠に気づいて途方に暮れていたとき、彼の伯父が現れて、形だけの結婚を提案してくれたのだ。だからこそ、いまアナトールに真実を打ち明けるつもりはない。とくに息子の出生の秘密については。
アリアナは知人の誕生日パーティで実業家ルカと出会い、ひと目で激しい恋に落ちて一夜を共にした。だが翌朝、「僕は結婚する。きみとは二度と会わない」と告げ、冷酷にも彼は立ち去った。傷心のアリアナに、程なく従妹からの助けを乞う連絡が届く。横暴な祖父の計略で見知らぬ男性と結婚させられるというのだ。しかも、結婚相手が…ルカ?婚約者のいる身で私の純潔を奪ったというの?酷すぎる。結婚式に参列したアリアナは、意を決して祭壇の彼に叫んだ。「この結婚は無効よ。私は…ルカの子を身ごもっているの!」
ラナは朝から晩まで身を粉にして働いていた。信じていた人が勝手に彼女の名義で莫大な借金を作ったからだ。そんなある日、偶然知り合ったイタリア富豪サルヴァトーレから、ラナは耳を疑うような依頼を持ちかけられた。「つきまとう女性を退けるため、契約結婚をしてくれないか?」期間は1年間。その見返りに借金を肩代わりしてくれるという。窮地にあるラナは法外な話に不安を覚えながらも受け入れたー“彼に惹かれ、ベッドを共にするなんて絶対だめ”と自戒した上で。それなのに、ある夜、ついに愛の炎が燃え上がり身を捧げて…。
私はいま、彫像のような美貌のギリシア大富豪、マックス・ヴァシリコスにエスコートされている。鏡の中の自分を見て、エレンは息が止まりそうになった。これが“象みたいに大柄で醜い”と継姉に嘲られている私なの?マックスが手配した美容師たちの手で麗しく変身したエレン。華やかな慈善舞踏会で彼と踊り、翌日からは彼に誘われるまま美しいリゾートで夢のようなバカンスを過ごした。夜ごと情熱的な愛撫に溺れながら、エレンは自分に言い聞かせた。ときめいてはだめ!彼にとって、これは策略にすぎないー亡き父が唯一遺してくれた、私の命より大切な屋敷を奪うための。
アリスは陽性の妊娠検査薬を手に絶望した。私が妊娠した?ローンが払えず、家を奪われそうな今?最後の手段として、彼女はおなかの子の父親に手紙を書いた。ロンドンで情熱の一夜を過ごした、ギリシア富豪ニコスに。彼から返事がきたときは、天にも昇る気持ちだった。よかった、ニコスも赤ちゃんの父親になりたいんだわ!しかしギリシアへ招かれたアリスは、現実を思い知らされた。現れたニコスはにこりともせず、ただ妊娠が本当か確かめた。彼女は金目当てと誤解されたまま、冷徹にプロポーズされ…。ヒロインは屈辱的な求婚に耐えられず、ギリシアから故郷へ帰ろうとするが、ヒーローにつかまり、ひどいパニック状態に陥ってしまう。そんな彼女を見てヒーローは態度を改め、償いをさせてほしいと申し出るのだった。
いわれのない誤解をされても、まだ愛しているのは、息子の父親だから?4歳の息子を一人で育てながら貧困にあえぐリアナは、昔の美しい面影は見る影もなく痩せ細り、疲れ果てていた。ついに過労で倒れ、病院に担ぎ込まれた彼女の前に現れたのは、ギリシアの大富豪で息子の父親、アレクシス・ペトラキスだった。5年前に一夜を共にし、翌朝、侮蔑の言葉を吐いて消えた人ーああ、でも彼はついに私と息子を助けに来てくれたのね!だがアレクシスは、リアナが薬に溺れ育児放棄していると聞き、初めて存在を知った息子を、救い出しに来たのだった。彼は息子を保護し、リアナもギリシアへ伴ったー乳母として。
7歳の少女の住み込み家庭教師になってほしいージェンナのもとに、イタリアの若き富豪から依頼が舞いこんだ。実業家のエヴァンドロ・ロッチェフォルテは離婚したばかりで、激務から娘と一緒に暮らした経験はほとんどないという。はじめは傲漫なエヴァンドロに怖れを感じたジェンナだったが、“君は森の妖精のようだ”と思いがけないことを言われて戸惑う。娘を慈しむ彼に惹かれ、ジェンナはある夜ついにすべてを捧げる。エヴァンドロが親権を持ち続けるための元妻との契約により、金輪際、妻はおろか恋人も持つ気がないことを知りながら。
ロザリーは、清掃員をしながら病弱な母との生活を支えてきた。ところが母亡きあと、サンドロスと名乗る魅惑的な男性が現れ、故国ギリシアで成功した彼女の父親に頼まれ迎えに来たと告げた。驚きと喜びに舞いあがるロザリー。だが、初めて対面した父親は娘を温かく抱擁することもなく、サンドロスと結婚しろと命じた。彼の名家の血が欲しいからと。打ちのめされるロザリーだったが、父親の会社との合併を望むサンドロスは便宜結婚を提案してきた。半年だけ結婚すれば、離婚時に相応の手当を出す、と。ロザリーは抗えなかった。すでに彼に心を奪われていたから。
エリーは、国を追われた元大公の父のもとに駆けつけた。だが父が家族と身を寄せているのはロンドンの最高級ホテルで、エリーは訝しんだ。いま父は無一文のはずなのに、なぜ?妹によると、ギリシアの富豪レオン・デュカリスが賄っており、見返りとして、妹との結婚をほのめかしているらしい。元王女を妻にすることで、自らの成功を誇示しようというの?妹に、そんな愛のない結婚をさせるわけにはいかないー憤慨したエリーはレオンに直訴するが、彼は傲然と言い放った。「妹には興味がないよ。僕が結婚したいのは君なんだ」夜ごとの晩餐会や諸国の王族との会合で、完璧な妻を演じるー。偽りの結婚なのに、レオンの優しさや情熱を知るにつれ、エリーは次第に夫を愛し始めてしまい……。
パーティで出会った男性ルークと夢のような一夜を共にした翌朝、ターリアは父の会社が破綻し、父本人も失踪したと知った。屋敷を追われ、病弱の母を連れてようやく別荘に身を寄せるが、そこもすでにギリシア富豪の手にわたっていた。しばらくの間でいい、ここで母をゆっくり休ませてあげたい。直談判するため、富豪を訪ねたターリアは仰天した。ルーク!まさか彼が父を破滅させた張本人だったなんて…。「2週間、僕と一緒にカリブに行くなら、別荘に住まわせてやる」あの夜とは別人のような冷たい要求に、彼女は頷くしかなかった。
アレサンドロは高級車を降り、荒れ果てた屋敷を見つめた。ここにトマソの孫娘、ローラ・ストゥがいるはずだ。“孫娘を見つけ、イタリアに連れてきてほしい”亡き父の共同経営者であるトマソにそう頼まれたのは、数日前のこと。孫娘を連れて帰れば、イタリア屈指の大企業の会長職を譲ると約束され、アレサンドロは会社の全権を握るために、イギリスへやってきたのだ。とにかくローラに会って任務を果たしてしまおうと、彼は屋敷の近くにいた使用人らしき女に話しかけたーまさかこの不器量でずんぐりとした無愛想な女性が、当のローラ・ストゥだとは思いもせず。
夢が叶うまで、あと1万ポンドー祖父母の遺したコテージで暮らすため、タラは働きづめだった。貧しい彼女には家の改修費すら、まだ用意できずにいた。そんなとき裕福な銀行家マルクが声をかけてきた。南フランスの別荘で1週間、恋人のふりをしてくれたら、1万ポンドの報酬を支払うというのだ。これほど魅力的な男性と親密な演技だなんて、私にできるの?タラの不安は的中し、マルクに恋して身を捧げてしまう。資金を得た彼女は虚しさに襲われるが、妊娠に気づいて…。
星が大好きで、大人になった今も星に夢中のフラン。アメリカのホテルでニックと名乗る美貌の警備員と出会い、あっという間に恋に落ちて、親密なデートを重ねる仲になった。だが、祖父危篤の一報でフランはイギリスへ戻ることになり、二人の絆は儚く消える。数カ月後、彼女はあるパーティで、イタリアのホテル王ニコロ・ファルコーネを紹介されて驚いた。ニック!なぜ身分を偽っていたの?傷ついたフランは思わず詰め寄り、感情的に言い返すニコロと揉み合いながら、よみがえる情熱に身を投じてしまうー妊娠するとも思わずに。ドラマティックな展開と、純粋で愛らしいヒロイン。身ごもったことをヒーローに告げたものの、彼からの愛のない求婚は虚しいだけで…。
ヴィッキーは父親代わりにかわいがってくれた叔父の会社を救うため、ギリシアの敏腕実業家テオと、名ばかりの期限つき契約結婚をした。離婚の際には多額の金を支払うというテオの言葉を信じて。だがある夜、テオの妖しい瞳に惑わされるように、彼と結ばれてしまう。自分の行いに動揺して、ヴィッキーが思わず屋敷から逃げ出すと、怒り狂ったテオは一方的に彼女を離縁し、そのまま2年の月日が流れた。今、ヴィッキーは勇気を振り絞り、テオに会いにやってきた。恵まれない子供の慈善事業のため、どうしても約束のお金が必要なのだ。しかし、テオの無慈悲な要求が、彼女をうろたえさせる。「金が欲しければ、ぼくのベッドまで一緒に来るのが条件だ」
なんとしても父が遺してくれた屋敷だけは守りたいー日々の生活にも困窮しているダイアナの望みはそれだけだった。そんな彼女の前に現れたのがニコス・トラモンティス、若くして巨万の富を築いた億万長者だ。彼は野心を隠しもせず、社交界へ足を踏み入れるのに彼女の家柄が必要だと言い放ち、大金と引き替えに2年間の契約結婚を申し出た。両親から愛は危険なものだと学んでいたダイアナは、愛するリスクもなく純潔も守れるならと、承諾してしまう。“ベッドで楽しみ、飽きたら捨てる”という彼の邪心も知らずに。