小説むすび | 2021年7月27日発売

2021年7月27日発売

骸骨骸骨

残念ながら自分には いささか陰鬱な傾向があるに違いないーー  英国屈指のユーモア作家に隠された、もう一つの顔。 ユーモア小説『ボートの三人男』で知られるジェローム・K・ジェロームによる異色作品集。 西洋骨董のように古風な趣と気品をそなえた、知られざる逸品の数々。 心和ませる幽霊小説、冷たく怖い怪奇小説、優しく美しい幻想小説、不思議な現代ファンタジイ、数千年の時を跨ぐケルト・ファンタジイ等々、多彩な味わいの奇譚17篇を収録。 1篇ごとに異なる魅力の、世にも稀なる短篇小説集。 【目次】 食後の夜話  ダンスのお相手  骸骨  ディック・ダンカーマンの猫  蛇  ウィブリイの霊  新ユートピア  人生の教え  海の都  チャールズとミヴァンウェイの話  牧場小屋(セター)の女  人影(シルエット) 二本杉の館  四階に来た男  ニコラス・スナイダーズの魂、あるいはザンダムの守銭奴  奏でのフィドル  ブルターニュのマルヴィーナ   訳者あとがき  食後の夜話  ダンスのお相手  骸骨  ディック・ダンカーマンの猫  蛇  ウィブリイの霊  新ユートピア  人生の教え  海の都  チャールズとミヴァンウェイの話  牧場小屋(セター)の女  人影(シルエット) 二本杉の館  四階に来た男  ニコラス・スナイダーズの魂、あるいはザンダムの守銭奴  奏でのフィドル  ブルターニュのマルヴィーナ   訳者あとがき

さよならは愛し子のためにさよならは愛し子のために

昨日まで見も知らぬ人だったのに、 なぜ彼の愛を切望してしまうの? 「ぼくはクレイグ・ハーモン。あなたの子どもの父親です」 突然かかってきた電話に、アメリアは顔面蒼白になった。 かつて恋人からひどい仕打ちを受けた彼女は、 結婚はせずに人工授精で子どもを持つという道を選んだ。 そのドナーとなったのが、会ったこともない医師のクレイグだった。 彼はなぜ会いたいと言ってきたの? まさか、おなかの子を奪うため? だが、自分の遺伝子を持つ子が愛されて育つことを確かめたいと彼は言う。 「安心さえできれば、永遠にあなたの前から消えます」 そう聞いて、数日後、アメリアはクレイグと対面したが、 彼女が独りで産み育てると知るや、彼は近くで見守りたいと言いだし……。 大ベテラン作家のタラ・T・クインが、HQイマージュに登場! 端麗な容姿のみならず人柄まで魅力的なクレイグですが、そんな彼には、子どもに関して苦悩した知られざる過去がありました。感動必至の珠玉作です。

完璧な公爵の理想の花嫁探し完璧な公爵の理想の花嫁探し

社交界の落ちこぼれ娘が惹かれたのは、 どこまでも完璧な、公爵の御曹司。 リバティは、妹の社交界デビューのためロンドンに出てきた。 もっかの悩みは、ある貴族の影響で妹に悪い評判が立ちそうなこと。 ここは姉として抗議しなければ、と件の人物の屋敷へ向かうが、 悲しいかな、田舎娘の彼女は貴族の顔に疎く、相手を間違えてしまう。 そこにいたドミニクは、英国随一の家柄を誇り、ハンサムで品行方正、 社交界でいま最も理想的な結婚相手と目される公爵家の御曹司だった。 「君の訪問や見当違いな抗議はレディの作法にもとる」と切り捨てられ、 リバティは落ち込むが、彼はそんな彼女の評判まで気にかけてくれた。 まるで貴族の鑑のような紳士だわーー思いがけずリバティの胸が疼く。 彼が妻に求めるのは、きっと完璧なレディでしょう……私とは正反対の。 『隠れ公爵と清らな花』の関連作です。妹のために奔走する健気なリバティが惹かれたのは真に模範的な貴族ドミニクでした。ですが完璧な“未来の公爵夫人”を見つけることを使命とする彼にとって、彼女は候補にすらなりえずーー。せつない身分差ロマンスです。

ギリシア富豪の逃げた小鳥ギリシア富豪の逃げた小鳥

19歳の清掃員ビリーは、勤め先の高級アパートメントで ギリシア富豪のギオが倒れているのを見つけ、懸命に介抱した。 それを機に急接近し、ビリーは求められるまま彼に身も心もゆだねたが、 情事の相手以上の存在として見られることは決してなかった。 愛も純潔も捧げ尽くした哀しき愛人ーーそれがビリーだった。 その証拠に、ギオは良家の女性と結婚。彼女は失意に暮れ、姿を消した。 ところが2年後、ギオが予告もなしに家の玄関先に現れる。 「離婚したから、君とよりを戻しに来た」と言って。 なんて身勝手なの……。むろん、ビリーは即座に拒んだ。 足元で無邪気に笑う、ギオに似た幼子を、必死に彼の目から隠しながら。 傲慢富豪と灰かぶりの代名詞のような二人による、シークレットベビー物語! 利己的なギオを追い返したものの、将来、彼の子でもある息子から、父親は裕福なのに自分は貧しく育てられたと責められるだろうかと考え、ビリーは密かに枕を濡らすのでした……。

ささやかな背徳ささやかな背徳

育ちのいい、“気の毒”な女性ーー 伯爵は狙いを定め、花嫁を探した。 カロラインは亡き父の借金を清算して生計を立てるべく、 自宅を売りに出し、書店員として働きに出ていた。 そんな彼女のもとに、ある日、結婚話が舞い込む。 傲慢で悪名高きラザフォード伯爵が、花嫁を探しているというのだ。 聞けば、彼は余命幾ばくもなく、すぐに跡継ぎが欲しいらしい。 たとえ相手が稀代の放蕩者であっても、結核に苦しむ幼い弟のために、 どんなひどい扱いも我慢するつもりで、カロラインは面接の場に赴いた。 初めて会う伯爵の見事な美貌と、心の奥底に悪魔を隠した雰囲気、 そしてあからさまな視線と質問に、彼女は思わず頬を赤らめた。 「立ち入ったことに触れるが……きみは安産型の腰をしているか?」 面接に合格し、伯爵夫人となるカロラインですが、陰がありながらも男らしい夫にどんどん惹かれていきます。これは跡継ぎを作るための愛なき結婚であり、何よりも、彼の余命はたった1年しかないというのに……。切なすぎるシンデレラ・リージェンシーの名作!

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