2024年4月発売
「世界最高峰の大作」登頂に挑む 20世紀ドイツ文学の最高傑作『魔の山』。作家トーマス・マンをノーベル文学賞に導いたとも言われる本作には、「生と死」「啓蒙とエロス」「秩序と混沌」「合理と非合理」がうずまく現実を前に、無垢な青年ハンス・カストロプが葛藤する姿が描かれている。「魔の山」とはいったい何を象徴しているのか。価値観が混沌とする世界で、人はどのように生きていけばいいのか。長大かつ難解な書として有名な世界文学を、余すところなく読み解く!
源氏物語と紫式部を描き切った大河小説、堂々完結! 千年読み継がれる名作には、いかなる想いが込められていたのかーー 一条天皇が崩御し、皇太后となった彰子のもとで取次役などを務める香子(紫式部)。「源氏の物語」に込めた本意をいち早く理解してくれていた同僚の女房が亡くなり、悲しみに暮れながらも、ついに最後の帖を完成させた。娘・賢子も彰子に仕えることになり安堵しつつ、「源氏絵」とともにこれまでの物語を振り返る。『源氏物語』とともに香子の人生を描くという、王朝文学の頂点に挑んだ歴史長編、最終巻。
中学生、高校生のうちに一度は読んでおきたい 6人の文豪たちの最後の傑作 なぜ彼らが文豪と呼ばれるのかがわかる名作小説アンソロジー 《収録作品》 芥川 龍之介『歯車』 太宰 治『グッド・バイ』 梶井 基次郎『のんきな患者』 中島 敦『李陵』 夢野 久作『女抗主』 泉 鏡花『縷紅新草』 生涯を読み解く個人年表、代表作紹介、人物相関図、ゆかりの地など 文豪たちの仕事と人物像がわかるガイドも充実。
王子が率いる勇者パーティーに荷物持ちとして参加していたクレイ。魔王討伐後は辺獄と呼ばれる辺境に移住し、【鑑定】と【模倣】スキルを掛け合わせた規格外の力で思うままに領地開拓する日々を送っていた。 一方、王都では王子の実力を証明するため、模擬戦が開催されることに。ひょんなことから前座の闘技大会に参加することになったクレイは、魔王を倒した張本人だとバレないよう仮面をつけて臨んだものの次々と勝利を重ね、あっさりと優勝してしまう。 「あんまり目立ちたくなかったのに…」 さらに、正体を知っているはずの王子から試合を吹っ掛けられ、表向きの勇者と真の勇者が対決することに!? 久しぶりの王都を満喫して辺獄に戻ったクレイだったが、森に住む獣人族が新たな動きを見せていて…!? 引退した真の勇者の自由気ままなセカンドライフ、継続中!
力がすべての脳筋ぞろいの辺境貴族に生まれるも、非戦闘系の植物スキルを授かったイドラ。転生者である彼は気にしていなかったが、出来損ないと見下す家族によって作物の育たぬ枯れた大地・エルドへ追いやられてしまう。友人のジャノ・専属メイドのシャーリーとともに領主としてエルドへ赴いたところ、食料不足からどうやら歓迎されていない様子。しかしイドラがスキルを使って一瞬で果物を芽吹かせると村人たちは「神の御子なのか!?」と驚愕して…!?植物を強化&進化させるスキル“種の図書館”で、ツリーハウスや井戸を作り、農業を始め、さらには凶悪なモンスターを返り討ちにしたりと快進撃が止まらないイドラ。いつしか移住者も増え、さらにはイドラの生み出す果物を好んだ謎のミニドラゴンまで居ついてしまい!?なにも芽吹かなかった寂れた寒村が、豊かな領地へと変貌していくー!お気楽な転生貴族によるにぎやかスローライフ、開幕!
異世界に転生したフィアナは前世、一生を病院で過ごした病弱少女であったが…、今際の際の願いが叶い、超健康な体を持って転生した!田舎で成長したフィアナは、友達を作るため王都の学園へと向かうがー。その編入試験で実技の先生相手に圧勝してしまったり、絶対に壊れないはずの的を大破させたりと、規格外の力を惜しまず披露してしまいー!?実はフィアナが育った村は魔界の超危険地帯。住人は英雄や歴戦の傭兵など選ばれし強者しかいないヤバい村で!?
下級悪魔、無敵の力で世界最強の勇者を圧倒!! 下級悪魔に転生した元日本人・カキュー。 人類最高峰の暗殺者である妻・エルザとともに、息子・アルスの成長を日々見守っていた──あるとき。 勇者としての力が覚醒しはじめたアルスを、修行を兼ねた旅に出させることを決意する。 しかし、旅のなかで国の陰謀に巻き込まれてしまうアルス達。 そこには、昔エルザを裏切った者達の思惑も絡んでいたことが判明! カキューは、いつか彼らへ復讐するというエルザとの契約(やくそく)を守るため、アルス達の活躍の陰でこっそりと暗躍し……!? さらに、旅を続けるなかで魔族に蹂躙された村へ辿り着いたアルス一行。その理不尽な光景を前に、アルスの伝説の勇者としての力が暴走してしまう! 制御できない強大な力への葛藤を抱くアルス。 そんな彼に、カキューは勝負を持ちかけて──!? 「いつか世界を救えるくらい最強の男に育てる、それが俺の──契約(ちかい)だ」 最強一家の規格外異世界ファンタジー、第三弾!!
手紙には書かれていない未知の事件発生!? 新たな時空魔法で困難に立ち向かえ!! 『覇究祭』でクラスを優勝に導き、ネルへのプロポーズも見事成功させたヘルベルト。 周囲との関係修復は順調に進み、仲間達とともに生徒会に入会するなど、平和な学院生活を楽しんでいた。 そして、2年生へと進級したヘルベルト達のクラスに、隣国からの転校生・アリスがやってくる。 アリスはなんとヘルベルトの「お見合い相手」を名乗りーー? 戸惑うヘルベルトをよそに、ネルとアリスのバトル勃発で波乱の予感!? 一方で、魔王の復活を目論む魔人達が王都に潜入し、秘密裏に行動を開始していることを知ったヘルベルト。 警戒を強めるヘルベルトだったが、学院が謎の組織『アガレスク教団』に襲撃されてしまう。 これは未来からの手紙にはなかった出来事でーー? 果たしてヘルベルトは、大切な仲間達を魔の手から守り抜き、敵の陰謀を阻止することが出来るのか!? 己が運命を切り開く人生やり直しファンタジー、第3幕!
ついに訪れた因縁との再会のときーー いまこそ最大にして最上の幸福譚を!! 隣国ランセル王国との戦争で、常識破りの奇策と新兵器のクロスボウ、バリスタによって見事大戦果を挙げた領主ノエイン。 その功績を認められたノエインは、士爵から準男爵に陞爵し、さらには褒賞まで獲得。 辺境の開拓も順調に進み、領民も増えたことで、中心都市ノエイナはますます大きな発展を迎えていたーー そんな折、ノエインのもとに褒賞授与の式典と晩餐会の招待状が届く。 式典に、因縁の相手である父マクシミリアン・キヴィレフト伯爵が来ることを知ったノエインは、自身の今の幸福な姿を見せることで、父に最大で最上の復讐を果たそうと画策しーー? 一方でマクシミリアンも、自身の醜聞を隠すためノエインを陥れようと陰謀を企てていた。 ノエインの従者であり最愛の存在・マチルダの身に危険が忍び寄るーーかと思いきや、その企てすらも全てノエインの掌の上で……!? ひねくれ領主の辺境開拓物語、大団円の第五幕!
笑わない令嬢の婚約者は、天才宰相の公爵様!? 笑わない令嬢として『氷の令嬢』と呼ばれていたエルランド子爵家の一人娘のヒストリカ。 夜会で突如婚約破棄を告げられ、さらに親友が婚約者を奪っていたことが発覚する。 ヒストリカは、令嬢としての価値がなくなったと夜会を抜け出し外に出ると、具合が悪そうにしていた男性を発見。 ヒストリカは、医学の知識で男性を助け、その場を後にする。 後日、公爵家から縁談の話がヒストリカに舞い込んでくる。 なんと夜会で助けた男性は、王城お抱えの天才宰相と呼ばれていたが、病気を患いそれが原因で醜悪公爵と囁かれているエリク・テルセロナだった。 エリクの婚約者となったヒストリカ。 しかし肝心の旦那様は仕事に追われ常に具合の悪そうな顔をしていた。 顔色の悪いエリクを見たヒストリカは、自身の知識で病状を治すことができると確信する。 自分の献身的に世話を焼くヒストリカに、エリクはどんどん惹かれていくようで……?
「何があっても、俺がアメリアを守ると誓おう」 契約結婚として公爵家当主のローガンへと嫁ぐことになったアメリア。 領内で蔓延していた『紅死病』の新しい薬を、その隠れた才能で開発し、病に臥していたライラの母親を救うことに成功した。 平和な日を過ごすアメリアに、ついに危機が訪れる。 それはエドモンド公爵が主催する茶会に、ヘルンベルク公爵家の婚約者としての出席だった! デビュタント以来の公の場というだけでなく、そこには実家でアメリアを虐めていた妹のエリンも出席するようで……? ローガンからは無理はしなくていいと言われるアメリアだったが、婚約者としてその名に恥じぬよう、礼儀作法を学び茶会への出席を決意する! 苦難を乗り越え、さらに近づいていくアメリアとローガンの心の距離。 そして寝室を共にする二人。そしてローガンが積極的に迫ってくるようで!? 家族から愛されなかった少女が、誰よりも幸せになる物語、第三幕。
「フォーッ、ホイッ!」、北の大地にいのちの雄叫びが ──列島に古代国家の狼煙が上がる頃、エミシの地に生まれた英雄譚 北のエミシの大地、これまでまったく光の届かなかった愛とひかりの物語を、ここに再生する。 国家が形を整える以前、人として飼い慣らされる前、生と死の狭間で生きられた、喜びと断念の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの籠もる語りとして……。 小説『ナツェラットの男』(2014年、第24回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞)でイエスの生きざまを語った、著者渾身の「北の古代史秘話」。 上の巻 目 次 下の巻 巻一 悪霊の呪い 巻四 氷雪の檻 巻二 迫る暗雲 巻五 寒椿 巻三 劫火 巻六 白龍の舞い 「下の巻」は6月下旬刊行予定。
春は目覚めの季節である。この時期のギルドマンたちは皆、硬くて不味い干し肉を放り投げ、冬眠から目覚めた獣を狩りに森へと出かけていくのだ。もちろんモングレルも例に漏れず新鮮な肉を求めてライナやウルリカらと共にキャンプへと繰り出し、楽しい毎日を送っていた。そんな彼にある日突然ギルド長から直々の呼び出しがかかる。なんとその要件とは「シルバーウルフを全く傷つけずに狩猟しろ」というあまりにも滅茶苦茶な仕事の依頼で……!?
シウがロトスを拾ってから数週間。ようやくロトスも人化できるようになり、生活も徐々に落ち着き始めていた。そんなある日、シウはカスパルに誘われ闇オークションへと参加する。お目当てはめったに出回らない魔術に関する古書。だがシウはその会場で偶然、虎系獣人の女性奴隷が競りにかけられているのを目撃してしまった。その女性奴隷が"とある秘密"を抱えていることに気づいたシウは彼女を救うため、正体を隠して競り落とす。しかしシウが突然女性を連れて帰ってきたことで、カスパル邸は大きな騒ぎになってしまい……!?
幼馴染で結成された勇者パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレス。ある日、セレスは勇者でありリーダーのゼクトにクビを宣告されてしまう。剣聖、聖女、賢者である幼馴染たちも全員ゼクトの味方……というかハーレム要員だ。もう自分は必要とされていないと悟ったセレスは、あっさりパーティを抜ける。Sランクの能力を生かせばどこでもやっていけはするが、田舎に戻って気楽に冒険者でもやろうかなと思いつつ、立ち寄った奴隷市場で見つけたのはーー「嘘、静子さん!」「セレスくん……」。勇者ゼクトの母親であり、セレスの初恋の美しい人がそこにいた。静子さんを救い出したことから、セレスの新たな冒険がはじまるーー! 追放された少年の異世界ママハーレム、待望の書籍化!
からだは傷みを忘れないーーたとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。 「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。 「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまいーー「竜舌蘭」 「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由はーー「グリフィスの傷」 「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜けるーー「まぶたの光」 ……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。 【著者略歴】 千早茜 (ちはや・あかね) 1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』、食エッセイ『わるい食べもの』シリーズなど著書多数。
愛を歌って、生きていく。 新たな門出や、新たな生命(いのち)。堀田家のラブ&ピースはまだまだ続く! いつにも増して「LOVE」にあふれた大人気シリーズ第19弾! 人気アイドルグループ〈カラーナンバー7〉の新曲を研人が手がけることに。なぜか堀田家にメンバーが来て作業を進めるという流れで……。堀田家全体が浮足立つなか〈東亰バンドワゴン〉の隣地への〈クリエイターズ・ビレッジ〉の準備は進んでいく。そして、夏に迫る堀田家の新たな生命(いのち)の誕生や結婚式! 今年も堀田家は賑やかで温かで、「LOVE」に包まれている。 【著者プロフィール】 小路幸也 (しょうじ・ゆきや) 北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。代表作「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ、「旅者の歌」「札幌アンダーソング」「国道食堂」「花咲小路」シリーズなど著書多数。
保育士だったオメガの志貴は異世界で助けた子狼の兄・白露に花嫁だと言われ驚く。獣人が住むこの世界で黒髪に黒い目の志貴は「聖なる者」だったからだ。この一帯を統べる領主の白露から逃げた花嫁の身代わりを頼まれるが、その後志貴を正式に花嫁に迎えたいと告げられる。志貴が男でも妊娠できるオメガの体だと知られてしまったのだ。志貴は反発するが白露に対してアルファに感じるような体の疼きを覚え押し倒されてしまう。まだ誰とも恋愛すらしたことがないと怯える志貴にそれ以上は求めない白露だったが「その代わり、次の満月までにお前を口説き落とす」と宣言されーー!