2024年8月発売
「科学」に不信を抱き大学を休学した池田哲のもとに、かつての同級生・藤崎雪葉が訪ねてきた。彼女は池田に一本の鍵を預け、謎を解いてほしいと頼んで去る。謎がある場所は「桂の森図書館」-雪葉の祖父が建てた、時計塔のある図書館だった。時空を行き来しつつ謎を解く時、喪失と再生の物語が始まる!
終末感漂う近未来。家族を失った少女は異人種と出会い、共同体の“外側に存在する世界”で新たな価値観を知り、肉体的にも精神的にも成長をしていくが…。サマセット・モーム賞受賞の女流作家が壮大なスケールで描く“形而上小説”、原作発表から55年の時を経て初邦訳!
激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチー官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。
男たちの意地。女たちの覚悟。執念と因縁が渦を巻く。新婚早々殺された妻と消えた夫、犯行現場に二十四文の銭を残す辻斬り、寿命が尽きる寸前に殺された男…。駆け出しの岡っ引きが、着道楽の若医者と組んで事件を追うー。江戸を舞台に仕掛ける大胆不敵なトリック。著者渾身の時代物本格ミステリ連作集。
特別調査所所長であり「鎮魂令主」でもある趙雲瀾。彼が想いを寄せる大学教授で「斬魂使」でもある、命が果てることがない沈巍とついに心も体も結ばれた。甘い新年を迎える二人だが、趙雲瀾の具合は悪くなる一方だった。その原因を知る沈巍は「煎じ薬」を趙雲瀾に飲ませる。うっすらと遠い昔の前世の記憶を取り戻しつつある趙雲瀾。そんな時に、特調を悩ませる「四つの聖器」の最後のひとつ“鎮魂灯”が絡む大事件が襲いかかる。果たして、特調のメンバーは無事なのか、そして趙雲瀾と沈巍はどうなってしまうのかードラマとは違う結末がいまここに!!特調のその後を伝える後日談、遙か昔の趙雲瀾と沈巍の出会いと別れを描いた前日譚など外伝も収録。
アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る『セメタリー』、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く『ワンピース』、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た『アフェア』など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!
静岡県北の廃村で、誘拐されたまま行方不明になっていた少女の白骨遺体が見つかった。10年前、静岡県警は誘拐犯に身代金1千万円を奪われ、少女は戻らず、事件は迷宮入りとなっていた。静岡県警静岡中央署の日下悟警部補が捜査に着手すると、当時は判明し得なかったいくつかの事実が明らかになる。腎臓に持病を抱えていた被害者の事情、誘拐事件関係者のその後、遺体が見つかった廃村の「子供の泣き声が聞こえる」という噂。静岡県警は実直な捜査で核心に迫るが、新たな事件が起きてー。“誘拐ミステリ”の名手による至高の警察捜査小説!!
週刊誌記者の柊二は、封印していた自分の過去が書かれている小説に出会う。「これは誰が書いたのか、この著者の狙いは」-。覆面小説家について調べ始めた時、会社にかかってきた一本の電話。「おまえの兄は人殺しだ」-。兄が起こした「美麗村少年リンチ殺人事件」と姉がトラックに轢かれて死んだ事故。痛ましい記憶の真相を探るため柊二は故郷を訪れるが、その過去は、追えば追うほど、形を変え、魔物のように襲ってくる。真夜中の公園、死んだ姉、殺された少年…。自分だけが知らなかった真実の物語。
劇作家を目指して演劇女子学校に通う結城さやかの同級生には、学内一の天才と謳われ異彩を放つ劇作家志望の設楽了がいた。しかし設楽了はある日、自身の手がける舞台から転落死する。不幸な事故として片づけられたが、翌年の春「設楽了の死の真相を調べに来た」と宣言する奇妙な新入生が現れてー。演劇を愛する生徒達の眩く鮮烈な学園ミステリー!
2024年8月、アメリカ西海岸で大地震が発生。28年のロサンゼルス夏季五輪の開催が困難になり、東京代替開催案が浮上する。スポーツマネジメント会社社長の猪野一斗は、古巣の広告代理店のゴーマン常務に命じられて代替開催に奔走することに。史上最大1000億円クラウドファンディングの実施、ARを駆使した画期的な体験型観戦など、選手と観客と運営が三位一体となった「夢の祭典」を実現させるために、4人の会社でスポーツ利権と真っ向勝負する。一斗はコロナ禍と裏金問題で呪われた東京2020の汚名を返上できるのかー。
第二王女のカタリーナは、姉のお見合い相手・アスラート王子を見た瞬間、お互い同時に前世の記憶を思い出してしまう。一緒に非業の死を遂げ、来世こそ結婚しようと誓いあった仲であることを。アスラートは目を輝かせてすぐさま熱烈求婚するが、今世では性格も考え方も変わってしまったカタリーナは終わったことだとけんもほろろに拒否。それでも彼の猛アタックに気持ちは揺れ動く。しかし姉からアスラートのことが好きだと告げられて!?
うっかり飲んだ媚薬のせいで若き公爵リディウスと一夜を過ごしてしまった男爵令嬢フレア。彼とは良き友人同士なのに何てこと!その後あれよあれよという間に結婚するも、仕事に生きる彼女に公爵夫人の座は荷が重い。そこで新婚早々、法律で離婚可能な半年後に別れることを彼に提案。一方、ずっとフレアに片思いしていたリディウスは焦る。今まで関係を壊すのを恐れ告白できずにいた彼は、この半年でせめて恋愛対象に昇格すべく作戦を立てるがー?