2024年8月発売
立原道造の詩「夢みたものは」から名付けられた総合誌の第3号。 幅広く活躍中の作家30人による詩、短歌、随筆、短編小説、イラスト、写真……100頁。 濃い内容の作品集となりました。 様々な夢のかたちをお楽しみください。 あらゆる芸術の分野を越え、共に、心豊かな各々の夢の結実を願い、「夢みたものは」羽ばたきます。 夢みたものは すべてここにあります。 作品が抱くきらきらした小さな夢のかけらが、多くの読者の心にとまり、読者の夢の支えとなりますように。すべての読者に元気と笑顔をもたらすことができますように…。
「科学」に不信を抱き大学を休学した池田哲のもとに、かつての同級生・藤崎雪葉が訪ねてきた。彼女は池田に一本の鍵を預け、謎の解明を依頼して去る。謎がある場所は雪葉の祖父が建てた、時計塔のある図書館だった。そして喪失と再生の物語が始まる! 一、出題 二、v=f λ 三、笑う鼠 四、還る 五、座標 六、青い花 七、水底 八、整理 九、解答 十、出発
終末感漂う近未来、家族を失った少女は共同体の“外側に存在する世界”で新たな価値観を知るのだが……。サマセット・モーム賞受賞作家による〈形而上小説〉を初邦訳! 英雄と悪党の狭間で 訳者あとがき
激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチーー官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。
本格ミステリ×捕物帖! 時代も国も超えて、魅力的なミステリは存在する。 人の営みが謎を生むからこそ、解決もまた人に寄り添わねばならないのだと、この作品は教えてくれる。 ーー今村昌弘(作家) 「時代小説なのに」と「時代小説だからこそ」が驚愕の融合! 現代ミステリ作家・織守きょうやが時代小説に挑んだ理由がここにある。 ーー大矢博子(書評家) 本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。 「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。 ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。 佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。 下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか? 町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とはーー 新婚早々に殺された妻と消えた夫。 死体のそばに二十四文銭を残す辻斬り。 寿命が尽きる寸前に殺された男…… 男たちの意地。女たちの覚悟。執念と因縁が渦を巻く。 江戸を舞台に仕掛ける大胆不敵なトリック。 著者渾身の時代物本格ミステリ連作集。 目次 まぼろしの女 三つの早桶 消えた花婿 夜、歩く 弔いを終えて
『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本ーー一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていた「ラフカディオ・ハーン」は、諸国遍歴のすえに日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会う。日本人「小泉八雲」となった彼の人生は、ヤゴが羽化してトンボとなって飛び立つがごとく変わっていくーー。アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。 本書は、アイルランド出身の脚本家、ジーン・パスリー氏が 2021 年に刊行した長編小説、“Black Dragonfly”の日本語翻訳版。 主人公は「雪女」「耳なし芳一」「ろくろ首」など、日本に古くから伝わる民話・伝承を再話した『怪談』を出版し、日本の文化を世界に紹介した人物、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。物語はハーンの幼少期からはじまり、アイルランド人とギリシャ人の血をひく彼は、その出自や外見、幼いころに両親と生き別れた経験などから、つねに劣等感と孤独感を抱えていた。世界各地を経巡ったハーンが新たな居場所を求めて渡ったのが、明治期の日本だった。仏教や神道、精霊信仰、先祖崇拝といった日本の精神文化に触れるハーン。松江への旅、英語教師として学生たちと過ごす日々、元士族の娘・小泉セツとの結婚、息子一雄の誕生、日本への帰化と改名ーー。〈日本〉との出会いによって、その人生と人生観は大きく変わっていく。 小泉八雲の生涯を描いた唯一の邦訳小説である本書は、史実と仮構を織り交ぜることで、一人の人間としての小泉八雲を浮き彫りにする。母への思慕や過去の後悔、自己存在への葛藤を抱えながらも、人生の歩みを進めていくハーンの人生が、「〈自分〉を引き受けて生きていくとはどういうことか」を、わたしたちに投げかける。 翻訳は、『さかさ町』『イワンの馬鹿』『キプリング童話集』など、児童文学の翻訳をおもに手掛ける小宮由氏が担い、50 余年のハーンの生涯に寄り添って訳出。小泉八雲没後 120 年、『怪談』出版 120 年の節目である 2024 年、『黒い蜻蛉ーー小説 小泉八雲ーー』として発刊する。
再生回数36億回超えのドラマ原作、伝説的中華BL小説がついに完結! ドラマファンを地獄に突き落としたラストシーンの救済ともいえる最高のハッピーエンド! 最終巻は挿絵5枚! 【目次】 第4部 鎮魂灯、外伝一、外伝二、外伝芥子、外伝山鬼を収録
幸せになるんだったら君とがいい。そう口にできたらどれだけ楽だっただろう。でももう、伝える術もなければ資格もない。ただ願わくば、もう一度会えたら、親友なんかじゃなくて、セフレでもなくて、彼にとってたったひとりの恋人になりたいーー。共感必至の報われない25の恋の超短編集。
5つの短編に待ち受ける、予想外の驚愕の結末! あなたはもう、以前の家族には戻れない。衝撃の令和の家族像。 「母という禍、家庭という地獄。 ひょっとして獄吏は自分自身なのかもしれない」 ーー中島京子(小説家) <崩壊する家族を描く、衝撃の連作短編集!> セメタリー ワンピース ビースト エスケープ アフェア <書評家も絶賛> 「よくぞこの全人類にとって厄介で気になりすぎる母という存在を描き切ってくれた。不謹慎なほどの面白さ!」--マライ・メントライン 「作者がエールを送っているのは、母という名の女性たちなのだ。母親という呪縛に囚われている、すべての女性たちなのだ」--吉田伸子 母と娘の関係性はたくさん書かれているが、これは、母とかつて母だったものとの物語だ。 アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る「セメタリー」、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く「ワンピース」、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た「アフェア」など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!
ミステリ界の気鋭による至高の警察捜査小説 静岡県北の廃村で、誘拐されたまま行方不明になっていた少女の白骨遺体が見つかった。10年前、静岡県警は誘拐犯に身代金1千万円を奪われ、少女は戻らず、事件は迷宮入りとなっていた。静岡県警静岡中央署の日下悟警部補が捜査に着手すると、当時は判明し得なかったいくつかの事実が明らかになる。腎臓に持病を抱えていた被害者の事情、誘拐事件関係者のその後、遺体が見つかった廃村の「子供の泣き声がする」という噂話。静岡県警は実直な捜査で核心に迫るが、新たな事件が起きてーー 【編集担当からのおすすめ情報】 江戸川乱歩賞受賞作『誘拐児』やドラマ化された『真犯人』など、“誘拐”をテーマとした作品を多数手がけて評価を集める気鋭・翔田寛さんによる、新たな傑作誘拐ミステリです。静岡県警の実直な捜査に手に汗握り、謎に包まれていた誘拐事件の真相に驚かされる、重厚な警察捜査小説が誕生しました。
誰も知らないあなたの過去が、もし、小説で暴かれていたらーー。 言葉で私たちを攻撃する魔者は誰だ? SNSの炎上、加熱する週刊誌報道……人の不幸を喜ぶ人間がいる。 ──お前たちを守るため、人間を喰おう。そうしよう。 衝撃のデビュー作『ジャッジメント』の著者、書き下ろし長篇ミステリ
「神」とまで呼ばれた天才少女はなぜ、自身の手がける舞台の上演中に死んだのか? 演劇女子学校に入学した結城さやかは、劇作家を目指している。同学年には同じく劇作家志望で、学内一の天才と謳われる設楽了がいた。了は俳優の能力を引き出し、観客を魅了する舞台を作り上げる卓越した才能をもっていた。了の手がける舞台に上がりたい、了に認められたいと俳優志望の生徒達はこぞって渇望する。次第に周囲から「神」とまで崇められた了は、横暴な振る舞いをしても良い舞台を作るためだと許された。しかしそんな了は突然、自分の手がける演劇の上演中に舞台から転落死する。不幸な事故だと片づけられたが、翌年の春に入学してきた新入生・藤代貴水は全校生徒の前で高らかに宣言した。「わたしは、設楽了の死の真相を調べに来ました」--さやかは貴水に巻き込まれる形で、了と生前の関わりのあった生徒を調べることになり・・・・・・演劇を愛する生徒達が内に潜んだ「殺人者」を暴き出す、眩く鮮烈な学園ミステリー!
2024年8月、パリ五輪閉幕直後にアメリカ西海岸大地震が発生。28年のロサンゼルス夏季五輪開催が困難となり、東京代替案が浮上。スポーツマネジメント会社社長の猪野一斗は東京五輪2028の開催に奔走することに。汚職に塗れてしまった2020年大会のリベンジを果たすことはできるのか。予算10分の1、画期的なIT技術の導入、史上最大の1000億円クラファンーースポーツの未来を切り開くため、猪突猛進のサラリーマンがあらゆる妨害と困難を乗り越え、「夢の祭典」を再生する。逆転と感動の企業エンタメ小説!
大学生の琴葉は、飲み会の後にお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれたシマくんにひとめぼれする。すげないシマくんに振り向いてもらうため、彼が傾倒している「本当に障る話」の調査を手伝う琴葉だが、どうやら琴葉は霊や怪異を寄せる体質らしく、いつも命の危険があるような危険な目に遭ってしまう。 その度に大いに反省し、もうやめようと思うのだが、シマくんの素晴らしく良い声で誘われるとどうしても誘いを断ることが出来ないのだったーー。ホラー小説界最注目の才能が放つ新感覚のエモーショナル・ホラー!
平成を舞台に、甚夜と同じ高校に通う藤堂夏樹を主人公にした「鬼人幻燈抄シリーズ」のスピンオフ番外編。夏樹はなぜか子供の頃から都市伝説に遭遇する機会が多く、高校生になっても怪異に巻き込まれてばかり。今回は、「ぽぽぽ…」と不気味な声を発する八尺様に目を付けられてしまった。子供を連れ去って殺すと噂される都市伝説だが、夏樹は無事でいられるのか!? くねくね、口裂け女、メリーさん……数々の怪異譚を斬新な解釈で綴った、少し怖くてどこか切ない短編連作集。
第二王女のカタリーナは、姉のお見合い相手・アスラート王子を見た瞬間、お互い同時に前世の記憶を思い出してしまう。一緒に非業の死を遂げ、来世こそ結婚しようと誓いあった仲であることを。アスラートは目を輝かせてすぐさま熱烈求婚するが、今世では性格も考え方も変わってしまったカタリーナは終わった過去のことだとけんもほろろに拒否。それでも彼の猛アタックに気持ちは揺れ動く。しかし姉からアスラートのことが好きだと告げられて!? 約束を守りたい王子と、過去に縛られることなく前向きに生きたい王女、そんな二人の本気を確かめたい姉……3人の恋の攻防戦!
うっかり口にした媚薬のせいで、若き公爵リディウスと一夜を過ごしてしまった男爵令嬢フレア。彼とは良き友人同士だったのに何てこと! その後抵抗する間もなく結婚したけれど、仕事に生きるフレアに公爵夫人の座は荷が重い。そこで新婚早々、法律で離婚可能な半年後に別れることを彼に相談。一方、ずっとフレアに片思いしていたリディウスは大いに焦る。関係を壊すのが怖くて告白できずにいたが、そうも言っていられない。この半年でせめて恋愛対象に昇格すべく、ある作戦を立てるのだがーー。恋には超鈍感な令嬢と友人ポジションに耐える貴公子の、すれちがいだらけの新婚ラブストーリー!
悪女と蔑まれながらも、王国に害をなそうとする王妃を欺き、国を守るため奮闘してきた王女クラリッサ。そんな彼女に急な縁談が舞い込み、しかも相手は初恋の皇子様ラウレンツ!? 戸惑いながら喜ぶも、この婚姻の裏には嫁ぎ先の帝国との軍事同盟があることを知る。兄から与えられた任務は帝国社交界で立場を築くこと。「必ずこの役目、果たしてみせます」覚悟を新たに嫁ぐが、再会したラウレンツのあまりの美声に陶酔してしまう。そんなクラリッサに彼はどこまでも冷たい態度でーー。「やはり、噂は本当だったか……」このままじゃ兄との約束も守れない上、初恋の人に完全に嫌われ状態!? なんとかして噂を払拭し、完璧な淑女を目指します!