1997年2月25日発売
1962年若くして死んだバルヒェットの60年代始め頃の録音。(1)(3)は今日では偽作とされるが、これも含めて通奏低音付きのソナタ全曲も演奏されている。vnの素直な動きとhcのきびきびしたバックアップに、聴き進むうちにいつの間にか引き込まれていく。
女性3人と男性1人の姉妹からなるアイリッシュ・グループ。頭3曲はサポート・メンバー2人を加えてのデンマークでのライヴ。結構ロックぽく実直に飛ばすのが、興味深い。残りはアルバム未発表曲。こちらは清々しさとポップネスを巧みに重ねている。
スティーヴン・タイラーやブライアン・アダムス、スキッド・ロウらが参加したモトリーの5作目。従来のR&Rパーティ的なメデタさは影を潜め、メロディを重視した親しみ易い構成が特色の本作。ワイルドな中にも進化するロック論を持ち込んだ力作だ。
(5)(7)などのビッグなヒットで知られるハード・ロック・バンドのデビュー10周年記念盤が“頽廃の10年”。リミックス、リマスターが12曲、新録が3曲、ライヴが2曲とサービス満点の編集。(15)のカヴァーは笑ったが、ピストルズって5年もプロで先輩なんだよな。
デビュー・ヒットの(5)、ポップ・チャートで11週連続No.1を記録した(10)で幅広い層からの支持を確立したオールー4-ワンの初のライヴ盤。場所はフィリピンのハード・ロック・カフェ。アジアで人気の衛星放送スターTVでもオンエア。熱気の中で新曲2曲も聴ける。
96年6月のデトロイトでのライヴ録音。音楽性の広がりはさほどでもないが手慣れた技でさわやかな空気を存分に放出しまくっている70分余。変拍子も強調しすぎずに消化しきっているところもさすがのベテランの味。疲れを癒すのにいいか。
ザッパ・バンドなどのメンバーとしても有名なヴァイオリニストの76年の名盤。ソウル・ジャズやプログレ調の中で縦横無尽に駆けめぐる弦のスピード感にクラクラ。今聴くとベースやエレピの感触が大野雄二の「ルパン三世」のサントラによく似ている。
次作『秘なる海』同様、ファンの間では評価の高い76年作。今聴くと単にフュージョンっぽいプログレだが、これが全米ジャズ・チャートで1位を取ったってんだから時代も異様だったんだろう。ただ、うねうね続くヴァイオリン・ソロはさすがの腕前。初CD化。
マザース、マハビシュヌで馴らした超絶技巧のヴァイオリン奏者が、これまた超絶業師であるアラン・ホールズワースとともに録音した77年のソロ・アルバム。組曲風の大作を中心に、インプロヴィゼーション命のハイ・テンションな演奏は、まさに名人の芸。
エレクトリック・ヴァイオリンの第一人者、77年作。ためをワザと消してたような、ときに変拍子のフュージョン・ビートに、手癖爆発といった感じのペラペラっとしたソロをのせる。デコボコの隙間を滑らかな音色で埋める、それがやりたかったことか。
ビギーのクルー、ジュニア・マフィアの紅一点、リル・キムのソロ・デビュー作。堂々と女を売り物にする姿勢には賛否両論あるが、それを置いとけば、多数のプロデューサーを起用した起伏のある作りは音楽的に聴きやすいし、キムのラップも肝が座っている。