2008年6月発売
マリナー初のモーツァルト序曲集(一部の曲のみ2度目の録音)。小編成を活かした軽快なテンポとバランスの良さが実に清新な演奏だ。「ルチオ・シルラ」など初期の作品がとりわけ素晴らしい。
カラヤン、ベルリン・フィルの絶頂期の録音。各曲の端々にメンバーのヴィルトゥオーゾぶりが顔を出し、カラヤンが引き出した抒情性とドラマ性、振幅の大きなダイナミズムが曲を磨き上げている。
「惑星」は、この曲の名演として、いまだに輝きを失っていない録音。ボールトすでに78歳での晩年のものながら、この曲の神秘的な美しさを最大限に描き出している。「エニグマ変奏曲」が入っているのも魅力だ。
新古典主義時代のレスピーギが、ルネサンス期のリュート曲を現代のオーケストラ用に編曲した美しい作品。古楽演奏にも長けたマリナーが、古さと新しさを見事にバランスさせている。
日本でのみ発売が許されていた2つの協奏曲が収録された、当時非常な話題を呼んだアルバム。リストでの豪放さ、ラヴェルでのファンタジックな変幻自在さと、アルゲリッチの特質がフルに発揮されている。
全盛期のパールマンらしい、豊麗なヴァイオリンがたっぷりと聴ける2曲をカップリング。とりわけチャイコフスキーはオーマンディ率いるフィラデルフィアとの、まさに豪奢な競演が素晴らしい。
オイストラフ3度目の録音で、初の共演作となった名盤。オイストラフの堂々としたスケールの大きな演奏もさすがだが、そのオイストラフを包み込んでしまうクレンペラーの壮大さにも圧倒される。
20代半ばのパユによる、EMIでのデビュー・アルバム。当時すでにベルリン・フィルの首席奏者となっていたパユは、年齢を感じさせない落ち着きがある。気品漂う美しいモーツァルトだ。
いずれもクラリネットの美質が十分に活かされた名曲。まろやかで肉厚な音色を持つマイヤーのクラリネットは、ドレスデン国立管と見事にマッチして、彼女の代表作といえる素晴らしい演奏となった。
ドイツのゆるぎない伝統を感じさせる演奏は、当時の新即物主義演奏のひとつの典型的な例でもある。しかし本作は、その演奏スタイルを超えて聴く者の胸に迫る、包み込むようなスケール感を持っている。
ピアノの詩人と称された、フランソワの代表的な録音のひとつ。主観的、あるいは主情的とも言われたフランソワの全盛期の録音で、彼のひらめきが最高度に発揮されたファンタスティックなショパンとなっている。
70年代、若きパールマンの最も輝いていた頃の録音。饒舌でありながらも崩れることのない造形力と持ち前の甘美な音色とのバランスが良い。クライスラーの洒落た小品を格調高く弾ききっている。
ベルリン・フィルの12人のチェリストたちによるジャズ、スタンダード集。リラックスした雰囲気のなかで、エリントンやマンシーニなどおなじみのナンバーを快演している。
制作・出演
エスコ・ライネ / ティル・ブレナー / ハーマン・ハプフェルド / ベルリン・フィル12人のチェリストたち / マックス・ラーベ / マリー=ピエール・ラングラメ / ヤンネ・サクサラ / ロロ・ロドリゲス / ヴェンツェル・フックス2004年秋のベルリン・フィル来日を記念して、同年6月に発表されたアルバム。新旧の大ヒット映画音楽を、優れたエンタテインメント性と完璧なアンサンブルで聴くことができる。
日本人にもおなじみの黒人霊歌を含んだアルバム。黒人霊歌の中で育ったバーバラ・ヘンドリックスが、あるときは優しく包み込むような愛を持って、またあるときはソウルフルに力強く歌い上げている。