2010年1月発売
チョン・ミョンフンが、キョンファ、ミュンファの二人の姉と組んだベートーヴェンの三重協奏曲は、初リリース時には大いに話題となった。ミョンフンはピアニストとしても優れた腕前を持っていて、見事な弾きぶりを披露している。
両曲とも、チョン・ミョンフン2度目の録音である。90年代半ば以降、ウィーン・フィルとはドヴォルザークの交響曲をまとめて録音していて、ここでもウィーン・フィルの資質を十分に生かした美しい演奏を聴かせている。
チョン・ミュンフンのフランス国立放送フィルの首席指揮者時代の音源。曲の色彩感を引き出すテクニックに卓越したチョンの本領発揮となる録音で、彼の自在なタクトに導かれたオーケストラも、鮮やかで多彩な色合いを表現している。
2010年2月に行なわれる、バンクーバー冬季オリンピックに向けての企画アルバム。男女ともに日本人の活躍が期待されるフィギュア・スケートで各選手が使用する、注目度アップの曲ばかりを収録。見逃せない一枚だ。
爽やかなキャラクターでTVを中心に活躍する関根麻里のシングルは日本語詞と英語詞ヴァージョンのカップリングで、英訳詞は彼女自身。飾り気のない唄い方は、古き良きアイドル・シンガーの香りがする。英語ヴァージョンも60年代のアメリカン・アイドルの雰囲気で、心が和やかになる。
『ネヴァーマインド』が大ヒットした翌年である92年、英国のレディング・フェスティヴァル出演時のライヴ音源を収めたアルバム。彼らのベスト・ライヴと評されるだけに、その凄まじいエネルギーに圧倒されること確実。
ジャンル
イーグルスのベーシスト、ティモシー・B.シュミットのソロ・アルバム。アコースティック・ギターで書き下ろされた楽曲が並ぶ原点回帰的な内容で、グラハム・ナッシュやキッド・ロックら、豪華ゲストも参加している。
ドラマ『夢をかなえる象』CMの音楽、SMAPや小柳ゆきなど多くのアーティストへの楽曲提供やアレンジ、リミックスと幅広く活動する中塚武、1年4ヵ月ぶりのアルバム。ジャズからラテンまで取り込んだ豊かな音楽性は本作でも健在で、統一感はあるのにさまざまなタイプの曲を聴かせてくれる。
米軍キャンプ廻りからスタートした4人組男性コーラス・グループの歴史を集成。スウィング感をもったコーラスで、落語ものやコミカルな歌などもこなしていたと再確認するはず。発表年を調べると流行へのアンサー・ソングと思える歌もあり、時代への批評性をも実感。
サード・シングルは、独占欲と嫉妬に苛まれながらも、どこまでも強く“君”を愛したいーー痛々しいまでの切実さをともなったラブ・バラード。繊細な感情と愛の強さをリアルに映し出すメロディ、鋭くも美しいヴォーカルは、シンガー・ソングライターとしての突出した才能を証明している。
美空ひばりのカヴァー集。70年代半ば、「月の夜汽車」をきっかけに始まった岡林と美空との交流は寡聞にして知らなかった。カントリー・ポップスや“エンヤトット”でアレンジされた美空ナンバーは新鮮。枯れすぎない岡林の歌にも味がある。「東京キッド」に細野晴臣、「悲しき口笛」に山下洋輔が参加。
2009年10月11日、渋谷AXで仲井戸麗市が一人でRCサクセション〜忌野清志郎のナンバーを歌ったライヴを収録したアルバム。いまさらながら、味わい深い曲ばかり。思い出を語る朗読ナンバーも思わず聴き入ってしまう。終盤で歌われる仲井戸のオリジナル・ソングが胸をしめつける。
イギリス室内管の初代首席指揮者に任命された年から90年にかけて録音を始めたのが、このモーツァルトの後期交響曲集だった。本作はそのうちの一枚。室内管の特質を生かした明快で流麗、様式感も的確な演奏は、高い評価を得た。
テイトがイギリス室内管の首席指揮者に就任して取りかかったモーツァルトの後期交響曲集からの一枚。的確な様式感と明敏な現代性をあわせ持った、オーソドックスながらいまだに新鮮さを保った演奏だ。
ゲヴァントハウス管の音楽監督を務めていた時の録音。マズアが得意としていたリストの作品集で、リストにありがちな大仰な身振りを排して、リストの甘美なロマンティシズムを重厚な響きの中で表現している。