小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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あなたを忘れられたらあなたを忘れられたら

18歳の夏のプロポーズは、 今もなお、苦く切ない記憶のまま。 姉の結婚式で花嫁付添人を務めていたソーチャは、 最後列に座る招待客を見て、心臓がとまりそうになった。 チェーザレ・ディ・アルカンジェロ! なぜ彼がここに? 7年前の夏、18歳のソーチャは彼に夢中だった。想いが叶い、 ついに求婚されるが、それは愛の欠片もない冷酷なものだった。 傷ついた彼女は拒絶し、泣く泣く姿を消したのだ。 チェーザレが不敵な笑みを浮かべて近づき、思いがけない提案を 持ちかけた。傾きかけた会社を立て直すため、きみの協力が ぜひ必要だという。いったいチェーザレは何を企んでいるの? 疑いの目を向けた彼女は次の瞬間、強引に唇を奪われて……。 人気のシャロン・ケンドリックの知られざる珠玉作の登場です。兄の親友であるヒーローに、ひと夏の恋をしたヒロイン。愛なきプロポーズから7年、再会した彼は相変わらず魅力的で……。ヒロインの一途な想いが通じる日は来るのでしょうか?

モンスター・パニック!モンスター・パニック!

『WORLD WAR Z』で全世界のホラー・ファンを歓喜させ、  ゲーム『マインクラフト』の世界を小説化してみせた才人ブルックス。  待望のモンスター・パニック・スリラー登場!  火山噴火で孤絶した集落。  森の中から彼らに忍び寄る群れーー  作家マックス・ブルックスのもとに手記が届けられた。それはレーニア山の噴火による被災地のひとつ、廃墟となったエココミュニティで発見された住人の日記だった。廃墟には生存者がおらず、二名の住人が行方不明となっている。すべての通信手段も脱出ルートも失われたコミュニティで、いったい何が起きたのか? 未だ原因が明かされていない集落全滅の真相とは?  武器も食糧もないひとびと。地面に刻まれた人間そっくりの巨大な足跡。闇にひびく咆哮。そして森の中に散乱した動物の死骸。そして牙を剝いて襲い来る凶暴な群れ。傷だらけになった人間たちの反撃、果たして成るか? 怪物との壮絶な死闘は、どんなに恐るべきものを呼び起こしてしまったのか?

夜明け前のセレスティーノ夜明け前のセレスティーノ

【国書刊行会 創業50周年記念復刊】 〈真の創造の奇跡〉を、ここにふたたび。 〈この家はいつも地獄だった。みんな死んでもないのに、もうここでは死んだ人たちの話ばっかり。……でも暮らしがほんとに悪くなったときだった。セレスティーノが詩を書こうと思いついたのは。かわいそうなセレスティーノ! いまぼくには彼が見える。居間のドアの陰に坐って両腕を引き抜いている……〉 母親は井戸に飛びこみ、祖父は自分を殺そうとする。 寒村に生きる少年の目に鮮やかに映しだされる、現実と未分化なもう一つの世界。 ラテンアメリカの魔術的空間に、少年期の幻想と悲痛な叫びが炸裂する! 『めくるめく世界』『夜になるまえに』のアレナスが、さまざまな手法を駆使して作り出した奇跡の傑作。 『夜明け前のセレスティーノ』はリズムである。 ちょうどその著者がリズムであったようにーーファン・アブレウ *** 〈アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス アチャス…… 斧(アチャス)の音がしないとぼくは眠れない。止まるな!  止まるな!  止まるな!〉 〈「斧(アチャス)はどんな音たてる?」  「パスッって音、まるで空中で鳴きつづけてる霊みたいに」    「斧(アチャス)はどんな音たてる?」  「パスって音……。パスッ……」〉 *** 少年期を、そしてキューバの生活を描いた最も美しい小説の一つ。  カルロス・フエンテス(作家) この並外れた小説を読むことは創造の真の奇跡と接触することだった。新鮮な爽やかさへ、旧態を打破するような恐れを知らない屈託のなさへと通じる空間にわたしを近づけてくれたのだ。危険にみちた領域に。 ……いま日本の読者の手に届くこの本は、思春期の輝かしい時代に、このうえない教訓をわたしに与えてくれた。つまり、「本当の文学とはわたしたちを変わり者にする文学、わたしたちを危険にさらす文学である。書くことはひとつの仕事ではなく、呪わしい儀式なのだ」という。  フアン・アブレウ(作家/画家)  --本書日本語版のための特別エッセイ「ハバナの奇跡」より  『夜明け前のセレスティーノ』をどう語ったらいいか。濃緑の草がしゃべり出したような本だ。木の幹に詩を書くセレスティーノと、彼のいとこ「ぼく」。むきだしの生と死、暴力と抑圧。自由と抵抗の根っこには「詩」がある。叩きつけるリズムが日本語に乗り移った。  小池昌代(詩人/作家)  --『私が選ぶ国書刊行会の3冊 国書刊行会創業50周年記念小冊子』より 夜明け前のセレスティーノ ハバナの奇跡(フアン・アブレウ) 訳者あとがき(安藤哲行) 新装版に寄せて(安藤哲行)

日常の読書学日常の読書学

発売日

2023年2月28日 発売

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本を読めば、何かが変わるの? 本は、どこでだって誰にだって読まれうる。 120年前に書かれたコンラッドの“問題作”『闇の奥』を、 いま、この日常の喧騒のなかで読んでみる。 「ふつうの読書」と「批評」を行ったり来たりして、 「読書」という営為について考えてみよう。 ============= 【目次】 序 章 『闇の奥』には辿りつかない長い道のり 本と出逢う/いかに読むべきか/道草としての読書/失われた「作者」を求めて/本書の取扱説明書 /付記/註 第一章 本はどこでだって書ける ふまじめな作者/ポーランド、より正確にはウクライナ/大人になったら、そこへ行くんだ/コンラッドと女性たち/英語という「選択」/註 第二章 コンラッド、コンゴへ行く コンゴで知ったこと/歴史から小説へ/「小説は歴史である」/註 第三章 『闇の奥』への旅を始める プロットを読む/物語の外側の物語/風景の陰謀プロット/イクチオサウルスの正体/註 第四章 「意図されたもの」とは何か 読書にゴールはあるか/遅延と妨害/真実のクルツ氏を求めて/マーロウに逆らって読む/註 第五章 女として読む 想定されていない読者/女たちの美しい世界?/アフリカの女/そして物語は破綻する/経験と読書 /註 第六章 誤読の効用 読むべきか、読まざるべきか、批評をするか/アフリカの歪んだイメージ/コンラッドはレイシストか/読むべきではないのか/よく読まなければならない?/註 第七章 ポケットに『闇の奥』を 余白に書かれた暗号/ロシア人の若者/『闇の奥』とともにアフリカへ/註 第八章 余白に書く 『闇の奥』と『暗い河』/模倣する世界/「暗号」を読み解く/『闇の奥』はもういらない?/註 終 章 日常の読書学 日常と非日常/小説のなかの日常/『闇の奥』の日常/二つの読書法/日常の読書学/明日もまた太陽は東から昇る/註 あとがき 索引

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