2021年12月発売
「あんたは子供の顔をした淫婦だわ」8歳の娘とミカちゃん人形の間に恋愛バトルが勃発。人形と現実、両方の家族を巻き込み、ドールハウスは愛欲と憎悪の渦にのまれていくー。王子をめぐる争いがフツーの一家を惨劇に陥れる表題作ほか、予想のつかない展開と飛び切りシニカルな笑いに悶絶必至。退屈な毎日に倦んだ紳士淑女に贈る、タブーとエロス満載の全5篇。
ほしいものも、会いたい人も、ここにはもうなんにもないのーー。胸に迫る長編小説。大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に猟銃で命を絶った。三人にいったい何があったのかーー。妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描く物語。
笑いの大博覧会、復活!名翻訳家浅倉久志のライフワークである“ユーモア・スケッチ”ものを全4巻に集大成。第1弾は『ユーモア・スケッチ傑作展1』(全25篇)+単行本未収録作品20篇。
2023年7月よりテレビ東京、BSテレ東ほかにてTVアニメ放送開始!シリーズ累計100万部(紙+電子)突破!
悪逆非道の生徒が蔓延り、存続の危機に立つ大陸屈指の名門校アリストピア。そこへ準2級昇格を目指す冒険者リティが臨時教官として名門復活を託された。名だたる教師が挫折した任務が、可憐で愛らしいだけの普通の少女に務まるのだろうか?当然、生徒は彼女を軽んじる。だがこの先生、全然「普通」じゃなかった!彼らの反発なんてなんのその。その小さな体とまっすぐな本音で皆の悩みへ全力アタック!彼女の超ポジティブで褒めまくりの全肯定はやがて生徒の心を溶かしていく。それでも来たる学園祭へクラスが一致団結する最中、唯一孤立する最大の問題児だけは禁術の行使も辞さずリティに徹底抗戦の構えでー。花よりバトルな脳筋少女が教師に華麗にジョブチェンジ(!?)する無自覚ハイスピード成り上がりファンタジー第3弾!第8回ネット小説大賞受賞!書き下ろし番外編「真眼の商人」収録!
愚直に生きる農強令嬢が、圧倒的な農業知識で国を救っていく聖女誕生ファンタジー!
英仏との戦争に突入した日本に、米国も宣戦を布告する。マリアナ諸島において米太平洋艦隊と連合艦隊は激突、講和への道筋は遠のくばかりであった。戦線の拡大を望まぬ山本五十六はトラック諸島を根拠地として守りを固めるも、米国は長距離爆撃機を繰り出し攻撃を続ける。空爆を封じるためラバウル進攻命令が軍令部より下り、主力戦艦を欠いた連合艦隊は空母を結集した機動部隊を編成。米太平洋艦隊も空母を中心とした艦隊を送り出した。ここに、史上最大の海空戦が開始される!
2017〜2019年に上演された「舞台 デルフィニア戦記」に合わせて刊行された「デルフィニア戦記公式ガイドブック」に掲載された三中篇に加筆の上、収録した外伝集。 「王女誕生までの七日間」 国王に返り咲いたウォルはリィを王女に迎えると公表。型破りなリィの言動に王宮の人々は否応なく振り回されていくーー。 「鷹は翔んでいく」 服飾職人フランクルが婚礼衣裳の注文を受け王宮に赴くと、肝心の姫ぎみはなぜか行方不明。ようやく面会かなった時は、結婚式まであとひと月……。 「国王の女難」 王妃リィには望めない“愛する者と過ごす、国王ウォルのやすらぎの時間”のために、バルロとイヴンが競い合い選りすぐりの愛妾を紹介するが……? 「男の修行」 ファロット伯爵に呼び出されたシェラのお話。書きおろし。 「嵐の後」 愛妾として迎える前の、ポーラとウォルのお話。ほぼ書きおろし。
横溝正史ミステリ大賞・優勝賞作家、渾身のリーガルミステリ!ごく普通の一般人である二宮智樹はある殺人事件の裁判員として裁判に参加することになる。その裁判では、美容師の男が若い姉妹を殺害した事件が裁かれることになっていた。智樹ら裁判員の多くが美容師の有罪へと意見が傾くなか、八木麻衣子と名乗る若い女性だけは美容師の無実の可能性を訴える。だが評決になって、麻衣子は一転して有罪へと意見を変え、美容師には死刑判決が下る。裁判から数か月後、智樹は麻衣子とつきあうようになり結婚を申しこむが、なぜか麻衣子はそれを拒む。折しも美容師の事件の控訴審が開かれ、麻衣子は再び美容師の冤罪の可能性に言及していた。その矢先、麻衣子は忽然と姿を消す。彼女はなぜ姿をくらましたのかー。
寝つきが悪くて困っている人、夜中に目が覚めてしまう人、または一日中なんとなく不安が消えないという人も、寝る前にこの本を読めば、心を休めて穏やかな眠りに就くことができるだろう。この本に収められた物語には、子どものころに読んでもらった「寝る前のお話」と同じ力がある。
北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられて八十年。誰の支配も受けず、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗し、堕落していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と呼ばれる本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、玄任は救いなき乱世で戦い続けるーー。
大手新聞社を定年退職した夜、連れて行かれたショーパブで一人の女性と出会った鮎子。アサミと名乗る彼女はショーの演出を手がける立場で、出演ダンサーのオーディションを近々行うという。そのオーディションに立ち会って欲しいと、鮎子はなぜか頼み込まれる。禁断の出会いをきっかけにアサミに翻弄される鮎子。新宿、浅草、バリ島を舞台に、アサミに心身をとりこまれた先に体験したのは、想像を絶する「宴」だったーようこそ、世にもおぞましい“美食”の狂宴へ。
「60年前の団地生活を体験して500万円!」という企画につられて、リアリティショーに集まった二つの家族と番組制作者たち。古き佳き時代であるはずの昭和の生活は、思ったほど楽じゃないどころか地獄の格差社会。意外な人物たちも巻き込み、不穏な空気が漂い始める。次々と起こる事件は虚構か、現実か…。
第166回芥川賞候補作。高校の歴史研究部に所属するぼくは、ある日皆川城址で中年男に出会う。男はぼくが入手した旧家の蔵書目録を奪い取ると、映画監督の縁戚にあたる小津久足の著作を指さし、『皆のあらばしり』などという本はこれまで全く記録されていないと言う。「まだ世に出てないものだってことか」「もしそうなら大発見やのー」男は満面の笑みでぼくの肩に手を置いた。うさん臭さに警戒しつつ、ぼくは男の博識に惹かれていく。幻の書の新発見か、それとも偽書かー。高校生のぼくと怪しい中年男は、「謎の本」の存在を追う。歴史謎解き+スリリングな会話劇+ラストの大逆転。本をめぐる知的愉楽に満ちた三島賞作家受賞第一作。第37回坪田譲治文学賞受賞