2007年12月発売
スペインの作曲家コリアの76年の作品。12の断片を、定められたルールに従って演奏者が自由に選択・変化させて形にする実験作。自身による実演つきだが、プリペアド・ピアノの響きや音素材そのものに詩的風景が仕込まれていて、併録の断片に耳が吸い寄せられる。
経歴豊かな1931年生まれ米国人前衛作曲家/パフォーマーの、アート系ロック・レーベル発の76年発表作。「ザ・デューク・オブ・ヨーク」は非英語の朗読から電気的処理が干渉する肉声パートに移っていく。「朽人に寄り添う鳥」は電気音が少しの自然音を介して揺らぐ。我が道を行く、まさしく“電波系”表現。
イタリアの前衛音楽家フアン・ヒダルゴが77年にリリースした作品を紙ジャケ仕様で世界初CD化。トイ・ピアノの音色を生かし、ヒーリング系のサウンド空間を生み出す手法は、今だからこそ、時代にフィットしそう。プログレ、癒し系の垣根を越えた大胆な一作。
チェコ生まれのフルート奏者が、77年にイタリアのクランプス・レーベルから発表したソロ作の世界初CD化。前半はフルートのみの多重録音によるハーモニー、後半はテープの回転速度を落とし、不気味な音響空間を創造したこれぞエクスペリメンタル・アルバム。
“イタリア版フルクサス”と呼ばれる現代音楽家集団ZAJの主宰が生み出した実験サウンド。鍵盤一つひとつに石を結わえた紐をつなぎ、ピアノを移動させることで生まれる不規則な打鍵をそのまま録音するなど、偶発性とアイディアに満ちた一枚である。
シュトックハウゼンやジョン・ケージとも交流の深かった前衛音楽家の78年作品は、現在の音響派やエレクトロニカを先取りしていたような、先鋭的なライヴ・エレクトロニクスが詰まった名盤。微細なフィードバック・ノイズにも豊穣なニュアンスが宿っている。
ジョン・ケージとも親交があったアルゼンチンの電子音楽家のホラシオ・ヴァギオーニが、IBMのコンピュータを駆使して78年にリリースしたエレクトリック・サウンド。シーケンスから発音に至るまですべてをコンピュータで制御した実験的電子音楽作品。
イタリアのプログレ・グループ、アレアの中心人物が78年に発表した、本邦初となる2作目。ここで展開されるのは通常の歌唱スタイルではなくて、モンゴルのホーミーなどに通じる発声法を取り入れたもので、前衛的かつ宗教的、宇宙的な空間を生み出す。
シャープさと剛腕。そんな技量を要求されるプロコフィエフの「戦争ソナタ」をはじめとする作品集。並のピアニストなら(男であっても)尻込みするところだが、上原は“大事にいこう”などと思わずに、思い切りの良い鳴らしぶりと集中力で圧倒する。
アルバム『Hummingbird in Forest of Space』からのシングル・カット。彼としては初となるクリスマス・ソングで、切ないストーリーを描いているにもかかわらず、全体を温かい空気感で包み込んでいる。ピアノとヴォーカルのみで歌われるライヴ・ヴァージョン「バッカ」も心に沁みる。
宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドのベスト・アルバム。代表曲はもちろん、レア・トラックやGSカヴァーも収録したオールタイム・ベストで、ロック・サイドとバラード・サイドを2枚に分けて収めている。
ポーランド室内管弦楽団の芸術監督を務める彼だから、いきなり“ポーランドの魂”でも不思議はないか。でもショパンの編曲ものではなく、他の2曲の協奏曲がメイン。後期ロマン派の香り豊かなヴィルトゥオーゾ的大曲で、もちろんケネディの自由闊達な音楽が堪能できる。
ブラーのデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットによるヴァーチャル企画バンドのレア・トラック集。前作『ディーモン・デイズ』のシングル未収録曲を収録。DFAなど気鋭のリミキサーによるディスク2、本盤のみ収録の2曲+「ロックイット」のPVも最高。先鋭的な毒気にシビレる!